従業員がグループ会社や関連会社に「転籍」するケースは、企業再編や人事戦略の一環としてしばしば発生します。
このとき注意したいのが、**社会保険や雇用保険の「手続きの取り扱い」**です。
実は、転籍とは「元の会社を退職し、別の会社に入社する」という形式になるため、退職・入社の手続きが必要となります。
🔹 転籍時の社会保険の手続き
① 転籍元の会社で行う手続き
- 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格喪失届
→ 退職日の翌日から5日以内に、管轄の年金事務所へ提出 - 健康保険 被扶養者(異動)届(扶養家族がいる場合)
② 転籍先の会社で行う手続き
- 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届
→ 入社日の翌日から5日以内に、管轄の年金事務所へ提出 - 健康保険 被扶養者(異動)届(扶養家族がいる場合)
🔹 雇用保険の手続き
① 転籍元の会社で行う手続き
- 雇用保険被保険者資格喪失届
→ 退職日の翌日から10日以内に、管轄のハローワークへ提出
② 転籍先の会社で行う手続き
- 雇用保険被保険者資格取得届
→ 入社した月の翌月10日までに、管轄のハローワークへ提出
🔹 労災保険について
労災保険は「事業所ごとの適用」となるため、転籍による特別な手続きは不要です。
📌 根拠法令・参考情報(リンク付き)
- 健康保険法施行規則 第24条(被保険者の資格取得の届出)
- 健康保険法施行規則 第29条(被保険者の資格喪失の届出)
- 厚生年金保険法施行規則 第15条(被保険者の資格取得の届出)
- 厚生年金保険法施行規則 第22条(被保険者の資格喪失の届出)
- 国民年金法施行規則 第6条の3(第三号被保険者の配偶者に関する届出)
💬 実務に迷ったら、専門家にご相談ください
転籍手続きは期限も多く、漏れやミスが起こりやすいポイントです。
ひらおか社会保険労務士事務所では、実務の流れに応じて、社会保険・労働保険の正確な手続きをサポートしています。
「何から始めたらいいかわからない…」という場合もお気軽にご相談ください。