こんにちは、ひらおか社会保険労務士事務所の平岡です。
本日は、社会保険の実務でよくあるご質問、
「算定基礎届と月額変更届、どちらが優先されるのですか?」
というテーマで解説いたします。
■ 結論から言うと…
原則として、月額変更届(随時改定)の方が優先されます。
つまり、たとえ4月・5月・6月の報酬をもとに算定基礎届を提出したとしても、
その後の7月〜9月に「随時改定の要件」に該当する変動(固定的賃金の変更など)があれば、
そちらの標準報酬月額が適用されることになります。
■ 実際のケースで見てみましょう
例えば以下のような場合:
- 4月:報酬 650,000円
- 5月:報酬 650,000円
- 6月:報酬 550,000円
この3か月の平均で、620,000円(等級41)として算定基礎届を7月に提出。
しかし、6月の給与体系変更により、その後も550,000円で固定されることになり、
7月・8月・9月と続けて同額支給された場合は、月額変更届の提出対象となります。
このとき、9月分(10月納付分)からは、550,000円(等級40)が新しい標準報酬月額となり、
算定基礎届の「620,000円」は適用されません。
■ ポイントは「改定月」と「適用タイミング」
- 算定基礎届の反映は9月分(10月納付)から
- 月額変更届の改定月が9月なら、そちらが優先適用
つまり、同じ「9月分」からの適用でも、月変の方が強いということですね。
■ まとめ
書類 | 適用タイミング | 優先順位 |
---|---|---|
算定基礎届 | 毎年7月提出 → 9月反映 | 後順位(原則) |
月額変更届 | 固定的賃金変動+3か月平均 | 優先される |
■ 迷ったときは、お気軽にご相談ください
報酬の変動や就業形態の変更などがあると、
「届出すべきかどうか」迷われることが多くあります。
当事務所では、算定基礎届・月額変更届の判断や提出支援も承っております。
小さなご質問でも構いませんので、ぜひお気軽にお声かけください。