こんにちは、ひらおか社会保険労務士事務所です。
今月も、人事・労務に役立つ最新情報をお届けします。
1. 令和6年度「過労死等の労災補償状況」が公表されました
厚生労働省から、令和6年度の「過労死等の労災補償状況」が公表されました。
注目ポイントは次のとおりです。
- 精神障害の労災認定件数は初の1,000件超え(6年連続で過去最高)
- 原因のトップはパワハラ、次いで仕事内容・仕事量の急変
- 顧客や取引先からの迷惑行為(カスハラ)も増加傾向
事例:パワハラによる労災認定
ある企業で、上司からの繰り返しの叱責・無視などにより社員がうつ病を発症。
結果として、精神障害による労災認定が下りました。
企業としては、相談窓口の設置や研修の実施など、未然防止策が不可欠です。
社労士の視点
ハラスメントによる労災は企業にとって大きなリスクです。
「相談窓口の整備」「管理職研修」「就業規則での明文化」など、
早めの対策をおすすめします。
2. 130万円の壁対策「短時間労働者労働時間延長支援コース」が新設
パート・アルバイトの社会保険加入を進める企業への支援として、
キャリアアップ助成金に新コースが追加されました。
- 名称:短時間労働者労働時間延長支援コース
- 期間:令和7年7月1日~開始
- 目的:130万円の壁による働き控え解消
事例:飲食店での導入
これまで週20時間勤務のパートスタッフを、本人希望により週30時間に延長。
社会保険加入と同時に、新コースの助成金を活用し、人件費負担を抑えることに成功しました。
ポイント
既存の「社会保険適用時処遇改善コース」との切り替え申請も可能です。
条件に合致するかは専門家に確認すると安心です。
3. 令和7年分 年末調整の様式が公表
国税庁より、令和7年度税制改正に対応した年末調整の各種様式が公表されました。
- 基礎控除・給与所得控除の見直し
- 特定親族特別控除の創設
- 扶養親族等の所得要件の改正
年末調整の準備は、10月頃までに様式確認と社内周知を進めると安心です。
まとめ
- 精神障害の労災認定は増加傾向、特にパワハラ・カスハラ対策が必須
- 130万円の壁対策として助成金を有効活用
- 年末調整の準備は早めに開始
当事務所では、助成金申請・ハラスメント対策・年末調整準備まで
トータルでサポートしています。お気軽にご相談ください。