2025/09/01 手続き・届出
国税庁から、「令和7年分 年末調整のしかた」が公表されました(令和7年8月29日公表)。
今年は例年より早めの公表となりましたが、他の関連資料(「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」など)は、順次公表予定です。さらに、パンフレット等をまとめた「年末調整がよくわかるページ(令和7年分)」は10月頃に公開予定とされています。
令和7年分の主な改正点
令和7年分の年末調整では、以下のような改正が行われています。
- 基礎控除の見直し
- 給与所得控除の見直し
- 特定親族特別控除の創設
- 扶養親族等の所得要件の改正
これにより、従来と同じ手順で進めても誤りが生じる可能性があるため、注意が必要です。
また、通勤手当の非課税限度額の改正に伴う対応も必要となる可能性があり、企業の給与計算や源泉徴収事務に直接影響する点が示唆されています。
実務上の影響と事例
事例1:扶養親族の判定が変わるケース
従業員が「配偶者控除を受けたい」と申告してきた場合でも、令和7年からは配偶者の収入要件が厳格化されているため、前年まで対象だった方が控除対象外となることがあります。
➡ 人事労務担当者は、扶養控除等申告書のチェック体制を強化する必要があります。
事例2:通勤手当の非課税額を超えるケース
従業員に支給している定期代が、改正後の非課税限度額を上回る場合、年末調整時に課税対象額を正しく反映しなければなりません。
➡ 誤処理があると源泉徴収票や確定申告に影響するため、早めにシステム設定を見直すことが求められます。
実務担当者へのアドバイス
- 新しい「年末調整のしかた」を早めに確認し、従業員への案内や社内の申告書チェック体制を準備する
- 通勤手当や扶養親族の判定など、改正の影響が大きい部分を重点的に確認する
- 国税庁の最新情報をこまめにチェックする
詳しくは、以下をご覧ください。
▶ 令和7年分 年末調整のしかた(国税庁)
▶ 通勤手当の非課税限度額の改正について
まとめ
年末調整は毎年のルーティン業務ですが、法改正が入ると一気に煩雑になります。特に令和7年分は控除制度や通勤手当の非課税枠が変わるため、例年以上に早めの準備が重要です。
「うちの会社の場合はどう対応すればいい?」と不安をお持ちの方は、専門家にご相談いただくことでスムーズに進められます。