厚生労働省より、労災保険指定薬局向けの「手引」2025年7月改訂版が公表されています。
労災保険制度の概要や、指定薬局が守るべき事務処理手順などをわかりやすくまとめた資料です。
本記事では、そのポイントをご紹介します。
労災保険制度の概要
労災保険は、労働者が業務上または通勤中に負傷や疾病を負った場合に、必要な医療や給付を保障する制度です。
医療機関や薬局は「労災保険指定医療機関」「労災保険指定薬局」として指定を受けることで、労災保険に基づく療養の給付を行うことができます。
労災保険指定薬局とは?
労災保険指定薬局は、労働者が負傷・疾病の治療に必要な薬を調剤し、その費用を労災保険に基づき請求できる薬局です。
指定を受けるには、労働基準監督署長との契約(療養担当契約)が必要となります。
レセプトの作成・提出
指定薬局は、労災による調剤を行った際、**レセプト(調剤報酬明細書)**を作成し、労災保険の請求先へ提出します。
通常の健康保険レセプトとは異なる様式・記載事項があるため、注意が必要です。
アフターケア制度
労災で治療を終えた後も、後遺症の予防や健康維持のために「アフターケア制度」が設けられています。
薬局は、患者がアフターケアを利用する際にもサポート役を担うことが期待されています。
事例:労災指定薬局での対応
例えば、製造業で勤務していたAさんが作業中に手を負傷し、通院治療を受けながら処方薬を調剤薬局で受け取るケースを考えます。
- Aさんは「労災保険指定薬局」に処方せんを持参
- 薬局は、通常の健康保険ではなく労災保険として調剤
- レセプトを作成し、労基署へ請求
- その後、治療終了後もアフターケアが必要な場合には、制度の利用を案内
このように、労災保険指定薬局は単なる調剤だけでなく、制度の正しい運用や患者サポートにも重要な役割を果たしています。
まとめ
2025年7月改訂版の手引では、指定薬局の実務担当者が迷いやすい「レセプト記載」や「契約事項」「アフターケア制度」について整理されています。
労災保険に基づく調剤を適切に行うためにも、最新の手引を確認し、業務に活かしていくことが大切です。
📌 根拠法令・参考情報
参考・ダウンロード|長崎労働局『労災保険指定薬局の手続き』
👉 https://jsite.mhlw.go.jp/nagasaki-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/rousai_hoken/kusuri-23090703.html
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