2025年9月、厚生労働省より「令和7年度の地域別最低賃金の全国一覧」が公表されました。
今年度の改定では、全国平均が1,121円となり、ついに全都道府県で最低賃金が時給1,000円を超えました。これは中小企業や事業主にとって大きなインパクトを持つ改定といえます。
令和7年度の最低賃金の特徴
- 39道府県で目安を超える改定が行われました。
- 全国平均は 1,121円(前年比+39円) となり、過去最高の引き上げ幅です。
- 地域間格差は依然残るものの、全都道府県が1,000円以上に到達したことで「最低賃金1,000円時代」が定着しました。
👉 詳細は厚生労働省の公式ページでも確認できます:
地域別最低賃金の全国一覧(令和7年度)
実務での影響とチェックポイント
最低賃金の引き上げは、特にパート・アルバイトなど時給制労働者の賃金設定に直結します。
また、月給制の従業員についても、所定労働時間で割り戻した金額が最低賃金を下回らないかを確認する必要があります。
✅ チェックリスト
- 時給制の従業員の賃金 → 新最低賃金を下回っていないか?
- 月給制の従業員の賃金 → 所定労働時間で割り戻して確認したか?
- 諸手当(精勤手当・住宅手当など)を除いた「最低賃金算定に含まれる賃金」で確認しているか?
事例:最低賃金割れにならないか?
事例①:大阪府のケース(最低賃金:1,050円)
- 月給:180,000円
- 所定労働時間:160時間
- 割戻し時給:180,000 ÷ 160 = 1,125円
👉 最低賃金を上回っており問題なし。
例②:同条件で月給170,000円だった場合
- 月給:170,000円
- 所定労働時間:160時間
- 割戻し時給:170,000 ÷ 160 = 1,063円
👉 ギリギリ上回っているが、残業時間や控除後の額によっては割れのリスクも。
👉 就業規則や賃金テーブルの見直しが必要になる場合があります。
まとめ
- 令和7年度は全都道府県で最低賃金が1,000円を超えました。
- 自社の賃金体系が最低賃金をクリアしているか、必ずチェックが必要です。
- 違反があれば、労働基準監督署から是正指導を受ける可能性があります。
「うちの会社の給与体系は大丈夫?」と不安に思われる場合は、早めに専門家にご相談ください。
📌 初回相談無料!最低賃金チェックや賃金テーブルの見直しをサポートします。
令和7年度 地域別最低賃金一覧(全国)
都道府県 | 最低賃金(時給) | 発効日(予定) |
---|---|---|
北海道 | 1,020円 | 2025年10月1日 |
青森県 | 1,000円 | 2025年10月1日 |
岩手県 | 1,000円 | 2025年10月1日 |
宮城県 | 1,020円 | 2025年10月1日 |
秋田県 | 1,000円 | 2025年10月1日 |
山形県 | 1,000円 | 2025年10月1日 |
福島県 | 1,000円 | 2025年10月1日 |
茨城県 | 1,030円 | 2025年10月1日 |
栃木県 | 1,030円 | 2025年10月1日 |
群馬県 | 1,030円 | 2025年10月1日 |
埼玉県 | 1,090円 | 2025年10月1日 |
千葉県 | 1,090円 | 2025年10月1日 |
東京都 | 1,200円 | 2025年10月1日 |
神奈川県 | 1,190円 | 2025年10月1日 |
新潟県 | 1,010円 | 2025年10月1日 |
富山県 | 1,010円 | 2025年10月1日 |
石川県 | 1,010円 | 2025年10月1日 |
福井県 | 1,010円 | 2025年10月1日 |
山梨県 | 1,010円 | 2025年10月1日 |
長野県 | 1,010円 | 2025年10月1日 |
岐阜県 | 1,020円 | 2025年10月1日 |
静岡県 | 1,050円 | 2025年10月1日 |
愛知県 | 1,090円 | 2025年10月1日 |
三重県 | 1,020円 | 2025年10月1日 |
滋賀県 | 1,020円 | 2025年10月1日 |
京都府 | 1,050円 | 2025年10月1日 |
大阪府 | 1,050円 | 2025年10月1日 |
兵庫県 | 1,030円 | 2025年10月1日 |
奈良県 | 1,020円 | 2025年10月1日 |
和歌山県 | 1,000円 | 2025年10月1日 |
鳥取県 | 1,000円 | 2025年10月1日 |
島根県 | 1,000円 | 2025年10月1日 |
岡山県 | 1,010円 | 2025年10月1日 |
広島県 | 1,030円 | 2025年10月1日 |
山口県 | 1,010円 | 2025年10月1日 |
徳島県 | 1,000円 | 2025年10月1日 |
香川県 | 1,000円 | 2025年10月1日 |
愛媛県 | 1,000円 | 2025年10月1日 |
高知県 | 1,000円 | 2025年10月1日 |
福岡県 | 1,030円 | 2025年10月1日 |
佐賀県 | 1,000円 | 2025年10月1日 |
長崎県 | 1,000円 | 2025年10月1日 |
熊本県 | 1,000円 | 2025年10月1日 |
大分県 | 1,000円 | 2025年10月1日 |
宮崎県 | 1,000円 | 2025年10月1日 |
鹿児島県 | 1,000円 | 2025年10月1日 |
沖縄県 | 1,000円 | 2025年10月1日 |
※上記は一例で、実際の額・発効日は厚労省発表の一覧をご確認ください。