労務管理

2025年10月から始まる「教育訓練休暇給付金」とは?

2025/09/09 労務管理・給付制度

2025年10月から新たにスタートする「教育訓練休暇給付金」。
これは、労働者が離職することなく教育訓練に専念できるよう、自発的に休暇を取得して仕事から離れる場合の生活費を保障する制度です。

制度の概要

教育訓練休暇給付金は、雇用保険制度の一環として導入される給付です。
従業員がキャリア形成やスキルアップを目的に長期の教育訓練に取り組む際、無給休暇による生活不安を和らげる狙いがあります。

支給対象者の要件

以下のすべてを満たす労働者が対象です。

  1. 雇用保険の一般被保険者
  2. 休暇開始前2年間に12か月以上の被保険者期間があること
  3. 休暇開始前に5年以上雇用保険に加入していること
  4. 就業規則等に基づき、30日以上の無給教育訓練休暇を取得すること

給付内容

  • 給付額:失業手当の日額と同額(休暇開始前6か月の賃金日額で算定)
  • 給付日数:雇用保険加入期間に応じて
    • 90日
    • 120日
    • 150日
      のいずれかが支給されます。

事例:IT企業のケース

あるIT企業の従業員Aさんは、キャリアアップのために30日間の教育訓練休暇を取得し、専門学校で高度なプログラミング研修を受講しました。

  • Aさんは雇用保険に7年以上加入しており、要件を満たしています。
  • 休暇は就業規則に基づき「教育訓練休暇」として承認。
  • 休暇中は無給ですが、教育訓練休暇給付金として最大120日分の生活費相当額が支給されました。

→ 会社は従業員のスキルアップを応援でき、従業員は生活費を気にせず学習に専念できる、双方にメリットのある事例といえます。

実務上のポイント

  • 就業規則の整備:教育訓練休暇の規程を設ける必要があります。
  • 対象者の確認:雇用保険加入年数や被保険者期間をチェックしましょう。
  • 企業の支援姿勢:キャリア形成支援の一環として活用すれば、従業員定着や人材育成につながります。

まとめ

  • 2025年10月から「教育訓練休暇給付金」がスタート
  • 長期の教育訓練休暇を取得する労働者の生活を支援する制度
  • 就業規則の整備と運用準備が企業に求められます

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