こんにちは。ひらおか社会保険労務士事務所です。
休日出勤を行った従業員に対して「代休」を付与する会社は多くありますが、
次のようなお声をよくいただきます。
「代休を1か月以内に取らなければ消滅と就業規則に書いてもいいの?」
「代休のルールは会社が自由に決められる?」
今回は、代休の消滅規定は有効か? を、実務と法律の両面からわかりやすく解説します。
✅ 結論:1か月以内の代休消滅ルールは「条件付きで有効」
代休は法律で義務付けられた制度ではありません。
そのため、就業規則で「一定期間を過ぎたら代休は消滅」と定めることは、原則として有効です。
ただし、
⚠️ 休日労働に対する賃金(割増賃金を含む)を正しく支払っていること が前提です。
🧭 そもそも「代休」とは?
| 用語 | 内容 |
|---|---|
| 代休 | 休日出勤の代わりに、後日休みを与える制度(会社任意) |
| 振替休日 | 事前に休日と労働日を入れ替える(法的に休日労働とならない) |
代休はあくまで「休日労働のあとに与える休み」であり、
法律上の義務ではありません。
🏢【実例】代休が1か月で消滅するルールを定めた会社
| ケース | 処理内容 | 有効性 |
|---|---|---|
| A社 | 「休日出勤から1か月以内に代休を取らなければ消滅」と就業規則に明記。消滅時には休日出勤分の賃金(割増含む)を支給 | ✅ 有効 |
| B社 | 消滅しても賃金を支払わず、代休も与えない運用 | ❌ 無効(労基法違反) |
🚫 無効となる可能性があるNG運用
| NG運用 | 理由 |
|---|---|
| 割増分だけ支払い、通常賃金を後払い | 賃金の全額払原則(労基法24条)に反する |
| 代休も賃金も与えない | 二重の違法(労基法37条違反) |
| 書面ルールなしで管理職判断 | 公平性を欠き、トラブル原因 |
🛠 実務でのポイント(企業側の対応)
| 対応 | 解説 |
|---|---|
| 📄 就業規則に明記 | 消滅期限・賃金支払い方法を明文化 |
| 💰 賃金支払いの原則を遵守 | 休日労働分は必ず支給 |
| 🗂 管理方法の統一 | 部署任せではなく会社としてルール化 |
| 🎯 従業員への事前説明 | トラブル防止のカギ |
💬 社労士からのひとこと
代休は“権利”ではなく“会社の制度”です。
しかし、その運用を誤ると「未払賃金」「労基署指導」に繋がります。
シンプルに見えて、実は落とし穴の多い制度です。
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