こんにちは。ひらおか社会保険労務士事務所です。
企業が未払残業代を請求され、裁判に発展してしまった場合、
「残業代だけでなく、さらにもう一つ支払わなければならないお金(付加金)」 が問題となることがあります。
今回は、企業経営者や総務担当者が知っておくべき
「付加金」とは何か?支払いが必要になるケースとは?」
について、事例を交えてわかりやすく解説します。
✅ 結論:裁判所が命じた場合、付加金の支払いが必要です
未払残業代の訴訟で会社が敗訴した場合、
裁判所は、会社に対し 未払の割増賃金と同額の「付加金」 の支払いを命じることがあります。
📌 付加金とは?
労働者が受け取るべき賃金が支払われなかったペナルティとして、
会社が追加で支払う「制裁的なお金」です。
つまり、支払うべき残業代が30万円の場合、さらに追加で30万円を支払う可能性 があります。
⚖️ 根拠となる法律
| 法令 | 内容 |
|---|---|
| 労働基準法 第37条 | 割増賃金の支払い義務 |
| 労働基準法 第114条 | 付加金の支払い命令 |
| 労働基準法 第119条 | 刑事罰(罰金)の規定 |
🏢【事例】裁判で付加金支払いが命じられた例
🔍 事案概要
ある企業A社は、従業員に長時間の残業をさせながら、割増賃金を支払っていませんでした。
従業員が未払残業代を求めて提訴し、裁判所は以下の判断をしました。
| 裁判所の判断 | 支払命令 |
|---|---|
| 未払残業代 | 120万円 |
| 付加金 | 同額の120万円 |
| 合計 | 240万円の支払命令 |
さらに、労働基準監督署の調査を受け、他の従業員にも未払が発覚。
企業は社会的信用を失い、大きなイメージダウンとなりました。
🛑 付加金が課されやすいケース
| ケース | リスク |
|---|---|
| 残業代の長期未払 | 高い |
| タイムカード改ざん | 非常に高い |
| 労働者の再三の請求を無視 | 付加金命令の可能性 |
| 故意・悪質な未払い | ほぼ確実 |
🛡️ 付加金を避けるために企業ができること
| 対応策 | 解説 |
|---|---|
| ✅ 労働時間の適正管理 | タイムカード・システムで客観管理 |
| ✅ 残業代の早期支払い | 後払い・まとめ払いはNG |
| ✅ 就業規則の整備 | みなし残業・管理職の定義を明確に |
| ✅ 労使トラブルは早期解決 | 裁判になる前に話し合いを |
💬 社労士からのアドバイス
「付加金」は 裁判になって初めて発生するリスク です。
逆に言えば、裁判になる前に対応すれば防げる可能性があります。
労働時間や残業代の管理に少しでも不安があれば、
早めに専門家に相談することで、重大な法的リスクを回避できます。
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初回相談は無料です。
就業規則・36協定・残業代の見直しなど、実態に即した改善をご提案します。