~アサーティブ・コミュニケーションで信頼関係を築く~
1.アサーティブ・コミュニケーションとは
「アサーティブ・コミュニケーション」とは、自分も相手も尊重しながら、自分の意見を正直に伝える方法です。
単なる「話し方」ではなく、「誠実で対等な関係を築く姿勢」そのものと言えます。
多様な価値観が共存する今の職場では、「伝え方」一つで関係性やチームの成果が大きく変わります。
アサーティブな伝え方を身につけることで、誤解や衝突を防ぎ、信頼されるコミュニケーションが可能になります。
2.4つのコミュニケーションタイプ
あなたはどのタイプに近いでしょうか?
| タイプ | 特徴 | よくある口癖 | 結果 |
|---|---|---|---|
| アグレッシブ(攻撃的) | 自分の意見を一方的に押し付ける | 「なんでできないの?」 | 相手との溝が深まり、孤立する |
| ノンアサーティブ(受け身) | 自分の意見を言えず相手に合わせる | 「私がやります」 | ストレスが溜まり、軽く見られがち |
| 作為的(間接的攻撃型) | 不満を皮肉・無視などで表現 | 「別にいいけど…」 | 信頼関係が崩れ、誰も得をしない |
| アサーティブ(誠実・対等) | 自分も相手も大切にしながら伝える | 「私はこう思う」「力を貸してほしい」 | 信頼関係が深まり、お互いに納得できる |
💡アサーティブな人は「自分の意見を持ちながら、相手の立場も理解できる人」です。
3.なぜ今、“伝え方”が重要なのか
多様な世代・国籍・価値観のメンバーが働く現代の職場では、
「伝えたつもり」でも「伝わっていない」ことが増えています。
- 若手社員:「断れずに仕事を抱え込み、疲弊してしまう」
- 中堅社員:「意図が伝わらず、後輩との関係がぎくしゃくする」
- 管理職:「部下にどうフィードバックすべきか悩む」
こうした悩みを解決するために、アサーティブな伝え方が求められています。
4.明日から使える!「DESC法」
アサーティブな伝え方を実践するための代表的なフレームワークがDESC法です。
4つのステップで構成され、誰でも簡単に実践できます。
| ステップ | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| D(Describe) | 状況や事実を客観的に伝える | 評価を交えず、事実を伝える |
| E(Express) | 自分の気持ちを伝える | 「私」を主語に誠実に話す |
| S(Suggest) | 望ましい行動を提案する | 現実的で具体的に |
| C(Choose) | 代替案や選択肢を提示する | 双方にとって前向きな方向を示す |
5.【事例】依頼を断る場面(若手・中堅社員向け)
❌NG対応(ノンアサーティブ)
「はい、大丈夫です…」と引き受けてしまい、残業が続いて疲弊。
⭕アサーティブ対応(DESC法)
ご依頼ありがとうございます。(クッション言葉)
ただ、今抱えている業務が立て込んでおりまして(D:状況の説明)
正直、少し無理をしてしまいそうです。(E:自分の気持ち)
火曜日までお待ちいただければ、しっかり対応できます。(S:提案)
いかがでしょうか?(C:選択の提示)
💡「断る」ではなく「調整して提案する」ことで、相手との信頼関係を損なわずに自己主張できます。
6.今日からできる小さな一歩
- 「あなた」ではなく「私は」を主語に話してみる
- クッション言葉(「恐れ入りますが」「よろしければ」)を使う
- 相手の話を最後まで聴く姿勢を意識する
アサーティブ・コミュニケーションは、役職や年齢に関係なく誰でも身につけられるスキルです。
「伝え方」を変えることで、職場の信頼関係も変わります。
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ひらおか社会保険労務士事務所では、
アサーティブ・コミュニケーションやハラスメント防止など、
職場の「伝え方改革」をサポートしています。