こんにちは。ひらおか社会保険労務士事務所です。
採用活動において、応募者の適性や能力を見極めることは重要ですが、「面接で聞いてはいけない質問」が存在することをご存じでしょうか?
厚生労働省では、事業主向けに「公正な採用選考」のガイドラインを示し、人権に配慮した採用を推進しています。
今回は、リーフレット「その質問・・・『面接』で必要?」をもとに、実務に役立つ情報をまとめました。
採用は「本人の適性・能力」が基準
採用の判断基準とすべきは、仕事に対する適性と能力です。
以下のような、本人に責任のない事項や本来自由であるべき事項を質問するのは不適切とされています。
❌ 不適切とされる質問例
- 本籍地や出生地
- 家族構成や職業、収入
- 住居状況(持ち家か借家かなど)
- 宗教、支持政党、人生観、思想信条
- 労働組合活動や社会運動歴
これらは採用基準と無関係であり、応募者の人格権を侵害する恐れがあります。
面接でよくある不適切質問と事例
事例①:家族構成を聞いたケース
中小企業の採用面接で「ご両親は何をされていますか?」と質問。
→ 応募者は答えざるを得ず、面接後に「プライバシーを侵害された」と感じて辞退につながりました。
事例②:宗教について聞いたケース
ある企業で「休日は何をしていますか?」との質問から宗教活動に話が及んだ。
→ 本来自由である宗教観に関する質問は不適切であり、トラブルの原因となりました。
事例③:転居可能性を聞きすぎたケース
「転勤の可能性があるが大丈夫か」という業務に関連する質問は適切ですが、
「持ち家?借家?親と同居?」など生活状況まで掘り下げた質問は不適切です。
公正な採用選考を行うためのポイント
- 質問内容を事前に精査する(面接シートを作成しておく)
- 応募者に関係のない質問は排除する
- 評価基準を明確化し、複数人で面接評価を行う
- 担当者研修を実施し、公正な採用の意識を社内に浸透させる
まとめ
採用面接での不適切な質問は、応募者の不信感を招き、企業イメージの低下や採用機会の損失につながります。
「この質問は本当に仕事に関係しているか?」を常に意識することが大切です。
当事務所では、公正採用選考に関する研修や面接マニュアルの整備についてもサポートしております。お気軽にご相談ください。
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