2025/10/02 改正・審議・パブコメ 行政資料・リーフレット
令和7年10月1日、官報にて 「出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(令和7年政令第340号)」 が公布されました。
これにより、育成就労制度は令和9年4月1日から施行されることが正式に決定しました。
📑 関連資料(出入国在留管理庁HP)
育成就労制度とは
これまでの 技能実習制度 は「技能移転による国際貢献」を目的としていましたが、実務上は人手不足の補填として利用される場面も多く、労働環境や人権侵害の問題が繰り返し指摘されてきました。
こうした課題を踏まえ、外国人材の育成・確保を目的とした新制度が「育成就労制度」です。
特徴
- 人材育成とキャリア形成を重視
- 特定技能制度へのスムーズな移行を可能にする仕組み
- 長期的に日本で働ける道を確保
つまり、単なる「短期労働力」ではなく、外国人が スキルアップしながら定着できる制度 へ転換することが狙いです。
実務における影響ポイント
事業者にとっては次のような実務的影響があります。
- 受け入れ要件の厳格化
- 適正な労働条件や人権保護が徹底されるため、労務管理体制の整備が不可欠。
- キャリア設計の必要性
- 外国人材を単に「一時的な戦力」とせず、教育・スキルアップの仕組みを組み込む必要がある。
- 在留資格の連続性
- 育成就労から特定技能へスムーズに移行可能。結果的に長期雇用を前提とした制度運用が求められる。
事例:介護施設における受け入れ準備
ある介護施設では、これまで技能実習生を受け入れていましたが、制度変更に伴い 育成就労制度への移行 を検討しています。
- 既存の就業規則に「外国人労働者への研修・キャリアアップ支援」規定を追加
- OJTと日本語教育を組み合わせた教育プログラムを策定
- 将来的に「特定技能1号」→「2号」への移行を前提としたキャリアパスを提示
これにより、外国人材も「この職場で長く働きたい」と感じやすくなり、離職率の低下にもつながっています。
まとめ
- 育成就労制度は令和9年4月1日施行が正式決定
- 技能実習制度の課題を解消し、人材育成と定着を目的とする新制度
- 実務では、労務管理体制・教育プログラムの整備が不可欠
- 外国人材の長期的な戦力化に向けた制度設計が重要
外国人雇用は今後ますます企業経営に直結するテーマです。早めの対応準備をお勧めします。
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