2026年1月13日から、協会けんぽ(全国健康保険協会)の加入者向けに、
各種申請手続きがオンラインで行える「電子申請サービス」が始まります。
従来は紙の申請書を作成し、郵送や窓口提出が必要でしたが、今後はパソコンやスマートフォンから手軽に手続き可能になります。
今回は、制度の概要とメリット、そして実務での対応ポイントをわかりやすく解説します。
1.電子申請サービスとは?
協会けんぽが提供する新しいサービスで、被保険者や被扶養者に関する各種申請をオンラインで完結できる仕組みです。
マイナポータル連携や、今後リリース予定の「けんぽアプリ」(2026年1月下旬リリース予定)を利用することで、さらに便利に利用できるようになります。
2.電子申請でできる主な手続き
電子申請の対象となるのは、次のような手続きです(2026年1月時点の予定)。
| 区分 | 主な申請内容 |
|---|---|
| 被保険者関係 | 健康保険被保険者証の再交付申請、住所変更、氏名変更など |
| 被扶養者関係 | 被扶養者(家族)の認定・削除、住所変更など |
| 給付関係 | 高額療養費支給申請、出産手当金・傷病手当金の申請など |
| その他 | 限度額適用認定証の発行依頼、資格喪失届など |
※一部手続きは、事業主経由での申請が必要です。
3.電子申請のメリット
① いつでもどこでも申請できる
パソコンだけでなく、スマートフォンからも申請可能です。
「平日は忙しくて窓口に行けない」という方でも、24時間手続きができます。
② 書類の記入ミスを防げる
電子フォームでは、入力漏れや誤りを自動チェックしてくれるため、
紙での記入よりもスムーズで正確に申請できます。
③ 添付書類もオンライン送信可能
これまで郵送していた添付書類(医師の証明書や領収書など)も、画像データとしてアップロードできます。
④ 申請状況をオンラインで確認できる
申請後の進捗確認や、結果通知も電子的に受け取ることが可能になります。
4.利用開始までの流れ(従業員・事業主別)
● 従業員(被保険者)の場合
- 協会けんぽの電子申請サイトへアクセス
- マイナポータルまたはマイナンバーカードで本人確認
- 必要事項を入力・添付書類をアップロード
- 申請完了!後日、電子通知で結果が届きます
● 事業主(会社)の場合
- 会社として「電子申請利用登録」を行う
- 社員の申請支援や、事業主証明が必要な書類の承認を実施
- 今後は、従業員の申請データを事業主側でも確認・承認できるようになる予定です。
5.【事例】実際の活用イメージ
事例①:出産手当金の申請
これまで郵送でやり取りしていた出産手当金支給申請書も、スマホで入力・アップロード可能に。
医師の証明書を撮影して添付するだけで、完了します。
事例②:被扶養者追加の手続き
新たに家族を扶養に入れる際、申請書の郵送が不要に。
被保険者本人が直接オンラインで申請でき、
会社は電子データで確認・承認するだけで完結します。
6.企業が今から準備しておくべきこと
✅ 社員への周知
電子申請開始(2026年1月13日)に向け、従業員へ周知しておきましょう。
特にスマホでの申請に慣れていない層に対しては、社内説明会やリーフレット配布が有効です。
✅ 社内手続きフローの見直し
これまで総務部で一括申請していた手続きを、
今後は本人申請・オンライン対応に切り替える場合があります。
社内ルールを整理し、誰がどの申請を行うかを明確にしておきましょう。
✅ 事業主証明のデジタル対応
協会けんぽの電子申請では、事業主の確認が必要な項目もあります。
電子署名や承認手順を整えておくことがポイントです。
7.まとめ|協会けんぽの手続きが“もっと身近”に
今回の電子申請サービス開始により、健康保険に関する手続きが格段に便利になります。
従業員の利便性向上だけでなく、企業の事務負担も軽減されるため、
紙書類中心の運用から、デジタル手続きへの移行を早めに検討しておくことが重要です。
🔗 参考リンク
協会けんぽ公式サイト|電子申請サービスについて(令和8年1月13日開始予定)