2025年12月26日、厚生労働省より
「モデル就業規則(令和7年12月改訂版)」 が公表されました。
モデル就業規則は、法律で義務づけられたものではありません。
しかし、厚生労働省の最新の考え方を反映した“基準資料”であり、
自社の就業規則を見直すうえで、経営者・人事担当者にとって非常に重要な資料です。
本記事では、
- 今回の主な改訂ポイント
- 経営者が押さえるべき実務上の注意点
- 中小企業で想定される具体的な事例
を、わかりやすく解説します。
今回(令和7年12月改訂)の主なポイント
① 国会・地方議会の議員に立候補するための休暇(第32条)
今回の改訂で新たに、
「国会議員または地方議会議員に立候補するための休暇」
に関する規程例が追加されました。
実務ポイント
- 立候補=必ず認めなければならない休暇ではない
- あくまで「規程例」の提示
- 会社として 無給・有給の別、取得期間、手続き をどうするかを整理する必要あり
実務事例
従業員から
「市議会議員に立候補するので、選挙期間中の休暇を取りたい」
と相談があったが、就業規則に規定がなく、対応に困った。
👉
モデル就業規則を参考に
- 無給の特別休暇として整理
- 取得可能期間を明確化
することで、トラブルを防ぐことができます。
② 犯罪被害者等の被害回復のための休暇等の紹介(第5章 解説)
今回の改訂では、条文そのものだけでなく、
「解説部分」において、次のような休暇制度の考え方が紹介されています。
- 犯罪被害者やその家族の被害回復のための休暇
- その他、社会的配慮が求められるケースに対応する特別休暇
実務ポイント
- 法律上の義務ではないが、
企業の社会的責任(CSR)やハラスメント防止、定着率向上の観点で重要 - あらかじめ就業規則に「その他会社が認める特別休暇」を設けておくと柔軟に対応可能
実務事例
従業員が犯罪被害に遭い、警察対応や裁判手続きで出勤が難しくなった。
欠勤扱いにするしかなく、本人の精神的負担が大きかった。
👉
- 「犯罪被害者等支援のための特別休暇」を設けておけば
- 欠勤・有給休暇の消化に頼らない対応が可能になります。
③ その他、法改正の反映など所要の改正
今回の改訂では、上記以外にも
- 表現の整理
- 近年の法改正・実務運用を踏まえた微調整
が行われています。
一見すると大きな変更がなくても、
「古いモデル就業規則をそのまま使っている」企業ほど、実務とのズレが生じやすい
点には注意が必要です。
経営者が押さえておくべき重要な考え方
「モデル就業規則=そのまま使うもの」ではありません
モデル就業規則は、あくまで ひな型 です。
✔ 会社の規模
✔ 業種
✔ 実際の働き方
✔ トラブルリスク
を踏まえずにそのまま導入すると、
「書いてあるけど運用できない就業規則」 になってしまいます。
今回の改訂を踏まえて見直しを検討したい企業
- 就業規則を 何年も見直していない
- 特別休暇の規定が ほとんどない
- 従業員対応が 場当たり的になっている
- 採用・定着を意識した制度づくりを進めたい
このような企業は、
今回のモデル就業規則改訂を「見直しのきっかけ」にすることをおすすめします。
参考資料(厚生労働省)
- モデル就業規則(令和7年12月)全体版[Word/PDF]
- 外国語版(英語・中国語・ポルトガル語・ベトナム語)
- やさしい日本語版
- 働き方・休み方改善ポータルサイト(特別休暇制度の例)
※正式資料は厚生労働省公式サイトをご確認ください。
まとめ|「改訂情報を知っている」だけで終わらせない
- モデル就業規則は 法的義務ではない
- しかし、国の最新の考え方を示す重要資料
- 特に「特別休暇」は、今後ますます重要なテーマ
「うちは関係ない」ではなく、
「自社ならどうするか?」を考えることが、実務トラブル防止につながります。
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