労務管理

【実務解説】定年年齢を超えて新規採用した有期契約社員に

第二種計画認定は適用されるのか?
|ひらおか社会保険労務士事務所

はじめに(経営者の皆さまへ)

人手不足が深刻化する中、

  • 定年年齢を超えたベテラン人材を新たに採用したい
  • まずは有期契約で雇い、様子を見たい

と考える企業は増えています。

その際、よくいただくご質問が次の点です。

「定年年齢を超えて新規採用した有期契約社員にも、
第二種計画認定を使えば無期転換を防げるのでは?」

結論からお伝えすると、第二種計画認定は適用されません。
この点を誤解したまま運用すると、想定外の無期転換リスクを抱えることになります。

1.結論:第二種計画認定は「新規雇用」には使えません

定年年齢を超えて新規雇用された有期契約労働者には、
第二種計画認定は適用されません。

これは、制度の趣旨と適用範囲が明確に限定されているためです。


2.第二種計画認定とは何か(制度の正確な理解)

第二種計画認定とは、

  • 事業主が「適切な雇用管理に関する計画」を作成し
  • 都道府県労働局長の認定を受けた場合に

👉 無期転換ルールの特例として、

その事業主のもとで
定年後に引き続き雇用される期間については、
無期転換申込権が発生しない

とする制度です。

つまり、この制度は、

✔ 無期労働契約で定年を迎えた従業員
✔ 定年後も「同じ会社」で継続雇用される場合

に限って適用されます。


3.対象にならないケースを整理すると

第二種計画認定の対象外となるのは、次のようなケースです。

  • ❌ 定年年齢を超えて「新規に」採用された有期契約社員
  • ❌ 有期労働契約のまま定年年齢を迎えた従業員
  • ❌ 他社で定年を迎えた人を中途採用した場合
    (※特殊関係事業主を除く)

今回のテーマである
「定年年齢を超えて新規採用した有期契約社員」は、まさにこの対象外に該当します。

4.無期転換ルールは原則どおり適用されます

第二種計画認定が適用されない以上、

👉 契約期間が通算5年を超えた場合には、
原則どおり無期転換ルール(労働契約法18条)が適用

されます。

従業員から無期転換の申込みがあれば、
会社は原則としてこれを拒否できません。


5.【実務上の落とし穴】第二定年がないとどうなる?

無期転換が成立した場合、

  • 労働契約は「期間の定めのない契約」に転換
  • 原則として「定年退職」はありません

👉 就業規則に第二定年の定めがなければ、
年齢を理由に雇用契約を終了させることはできません。

「高齢だから」「想定していなかった」という理由では、
退職させることは困難です。


6.【実務事例】誤解がトラブルにつながったケース

事例:定年超の人材を有期契約で新規採用した会社

  • 65歳定年の会社が、67歳の人材を有期契約で採用
  • 第二種計画認定があるため無期転換はないと誤認
  • 契約更新を続け、通算5年を経過

👉 従業員から無期転換申込みがあり、
会社は拒否できず無期契約に転換。

しかし、

  • 就業規則に第二定年の定めなし

結果として、
想定以上に長期雇用となり、人事管理に苦慮する事態となりました。


7.経営者が押さえるべき実務ポイント(まとめ)

✔ 第二種計画認定は「定年後の継続雇用」に限定される
✔ 定年超の新規採用には適用されない
✔ 通算5年で無期転換ルールが原則適用
✔ 無期転換後は、第二定年がなければ定年退職は不可
✔ 就業規則と契約設計が極めて重要


定年後人材の活用でお悩みの経営者さまへ

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そのような場合は、採用前の設計が最も重要です。

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