経営者が押さえるべき義務と実務ポイント
ひらおか社会保険労務士事務所
近年、職場における受動喫煙対策は、
「マナー」や「配慮」の問題ではなく、法令遵守が求められる労務管理事項となっています。
特に重要なのが、
- 従業員の望まない受動喫煙を防止すること
- 20歳未満の者を喫煙可能場所に立ち入らせないこと
です。
本記事では、厚生労働省のリーフレットおよび
「職場における受動喫煙防止のためのガイドライン」をもとに、
経営者が実務上対応すべきポイントをわかりやすく解説します。
受動喫煙対策の基本的な考え方
健康増進法の改正により、多数の者が利用する施設では、
「望まない受動喫煙」を防止するための措置が義務づけられています。
これは、来店客だけでなく、
その施設で働く従業員も保護対象となる点が重要です。
ポイント①
20歳未満の者(従業員含む)の立入禁止
喫煙専用室、指定たばこ専用喫煙室、喫煙可能室など
喫煙が可能な場所については、
▶ 20歳未満の者を立ち入らせてはならない
と明確に定められています。
これは、
- 接客業務
- 清掃業務
- 案内・補助業務
など、業務目的であっても例外はありません。
【実務事例①】飲食店での清掃業務
閉店後、20歳未満のアルバイトに
喫煙専用室の清掃を任せていたケース。
➡ 業務であっても立入禁止に該当し、
是正指導の対象となる可能性があります。
📌
「営業時間外だから大丈夫」
「喫煙者がいない時間帯だから問題ない」
という認識は 誤り です。
ポイント②
関係者による受動喫煙防止のための措置
事業者には、
従業員の望まない受動喫煙を防止するための措置を講じる努力義務があります。
ガイドラインでは、以下のような対応が示されています。
ハード面の対策
- 喫煙専用室・屋外喫煙所の設置
- たばこの煙が流出しない構造・換気設備
- 適切な標識の掲示
ソフト面の対策
- 勤務シフトや動線の工夫
- 喫煙場所に立ち入らせない業務分担
- 従業員への周知・教育
【実務事例②】事務所でのトラブル
オフィス内に喫煙専用室はあるものの、
通路や執務スペースに煙が流れ込む状態が続いていたケース。
➡
非喫煙者の従業員から相談があり、
換気設備の改善と運用ルールの見直しを実施。
📌
設備があれば終わりではなく、運用管理が重要です。
求人時にも注意が必要です
受動喫煙対策については、
従業員の募集・求人申込みの際に明示する義務もあります。
例:
- 「屋内全面禁煙」
- 「屋内原則禁煙(喫煙専用室あり)」
- 「屋内喫煙可」
➡ 求人票や労働条件通知書での記載漏れに注意が必要です。
経営者が今すぐ確認すべきチェックポイント
✅ 喫煙可能場所に20歳未満が立ち入る可能性はないか
✅ 清掃・案内・業務動線は適切か
✅ 標識・換気設備は基準を満たしているか
✅ 従業員にルールを周知できているか
✅ 求人情報に受動喫煙対策を明示しているか
まとめ|受動喫煙対策は「労務管理」の一部です
受動喫煙対策は、
- 従業員の健康配慮
- 法令遵守
- 職場トラブルの予防
につながる、重要な労務管理項目です。
「うちは小規模だから大丈夫」
「昔からこうしているから問題ない」
では済まされない時代になっています。
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※参考資料
- 厚生労働省「職場における受動喫煙防止のためのガイドライン」
- 厚生労働省「従業員に対する受動喫煙対策について」