労務管理

【実務解説】業務開始後の駐車場の雪かきで負傷した場合、労災になる?

ひらおか社会保険労務士事務所


はじめに(経営者の方へ)

冬場になると、次のような場面はありませんか。

  • 出勤後、業務開始前後に駐車場の雪かきをした
  • 上司から「先に雪かきをしてほしい」と指示された
  • その作業中に転倒してケガをした

このような場合、
「業務じゃないから労災にはならないのでは?」
と迷われる経営者の方も多いと思います。

結論から言うと、
👉 業務開始後に行った事業場駐車場の雪かき中の負傷は、労災と認められる可能性があります。


労災になるかどうかの判断基準

労災(業務災害)に該当するかどうかは、
次の 2つの要件 から判断されます。

① 業務遂行性

👉 事業主の支配・管理下で業務に従事していたか

② 業務起因性

👉 業務に内在する危険が原因で負傷したか

この 両方を満たす場合、業務上の負傷として労災となります。


本件(雪かき)の具体的な考え方

業務遂行性について

  • 始業時刻後
  • 事業場の駐車場
  • 事業主の指示、または業務上必要な行為として実施

このような場合、
事業主の支配・管理下での行為と評価され、
👉 業務遂行性が認められる可能性が高いと考えられます。


業務起因性について

業務遂行性が認められる場合、

  • 雪で滑りやすい状態
  • 事業場施設(駐車場)の管理状況
  • 雪かきという業務行為そのもの

これらが原因で発生した負傷であれば、
👉 業務起因性も肯定されやすいといえます。


【事例】実務で起こりやすいケース

事例①:労災と認められる可能性が高いケース

  • 始業後、上司の指示で駐車場の雪かきを実施
  • 作業中に足を滑らせ転倒
  • 骨折し休業

業務命令による作業
業務遂行性・業務起因性ともに認められる可能性大
労災に該当する可能性が高い


事例②:判断が分かれるケース

  • 出勤後、自主的に雪かきを実施
  • 明確な指示はないが、業務に必要と判断
  • 転倒して負傷

黙認・慣行の有無がポイント
➡ 事業主が把握・容認していれば労災とされる可能性あり


事例③:労災と認められにくいケース

  • 始業前
  • 私的判断で敷地外の雪かきを実施
  • 会社業務との関連性が薄い

業務遂行性が否定される可能性あり


経営者が押さえておくべき実務ポイント

① 「雪かき」も業務になり得る

  • 清掃・除雪は付随業務として評価されやすい
  • 指示の有無だけでなく、実態が重視される

② 安全配慮義務は免れない

  • 滑り止めの準備
  • 無理な作業指示をしない
  • 危険な場合は業者委託も検討

③ 事故が起きたら速やかに労災対応

  • 労災かどうかの最終判断は 労働基準監督署
  • 会社が独断で「労災ではない」と決めつけない

注意点(重要)

実際に労災保険給付が行われるかどうかは、
👉 労働基準監督署の判断によります。

会社や本人の判断だけで決まるものではないため、
迷う場合は労災申請を前提に整理することが重要です。


まとめ(経営者の方へ)

  • 業務開始後の駐車場の雪かきは
    👉 労災になる可能性がある
  • 判断基準は
    👉 業務遂行性+業務起因性
  • 冬場の付随作業もリスク管理が必要

「ちょっとした作業」が、会社の労務リスクにつながることもあります。


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