労務管理

【実務解説】管理監督者・裁量労働制でも過労死リスクは消えない|会社が取るべき健康管理対策

ひらおか社会保険労務士事務所


はじめに(経営者の方へ)

「管理監督者だから残業規制は関係ない」
「裁量労働制なので時間管理は不要」

このように考えていませんか?

確かに、管理監督者や裁量労働制の対象者は、労働基準法上の労働時間規制は適用されません。
しかし、それは過労死リスクまで免除されるという意味ではありません。

実務上、過労死・メンタル不調のリスクが最も高いのは、実は管理職層です。
本記事では、会社が負う責任と、経営者が取るべき具体的対策を解説します。


結論:時間規制はなくても「安全配慮義務」は免除されません

管理監督者・裁量労働制対象者であっても、
会社の「安全配慮義務(生命・健康を守る義務)」は引き続き存在します。

ポイント整理

  • 適用除外なのは 労働時間・休日・残業代の規制
  • 健康管理義務・安全配慮義務は免除されない
  • 長時間労働になりやすいため、むしろ慎重な対応が必要

制度の正しい理解(よくある誤解)

管理監督者とは?

  • 経営者と一体的な立場
  • 労務管理上の権限と裁量を持つ
  • 名ばかり管理職は該当しない

👉 単に「役職がある」だけでは管理監督者にはなりません


裁量労働制とは?

  • 実際の労働時間ではなく「みなし時間」で評価
  • 専門性・裁量性の高い業務が対象
  • 導入要件・手続きが厳格

👉 「時間を管理しなくていい制度」ではありません


【事例】実務で起こりやすい過労リスク

事例①:管理監督者の長時間労働

  • 部長職として残業代不支給
  • 月80~100時間相当の長時間労働
  • 健康診断・面談なし
  • 突然の体調悪化で倒れる

「管理監督者でも過重労働」として会社責任が問題になる可能性


事例②:裁量労働制で業務量が過多

  • 裁量労働制を導入
  • 実際は業務量が多く深夜まで作業
  • 労働時間を把握していない
  • メンタル不調で長期休職

裁量労働制でも健康管理不十分として安全配慮義務違反が問われるリスク


法律上、必ず求められる健康管理措置

管理監督者・裁量労働制でも「通常どおり適用」されるもの

  • 健康診断
    (労働安全衛生法 第66条)
  • 長時間労働者への医師の面接指導
    (労働安全衛生法 第66条の8)
  • ストレスチェック制度
    (労働安全衛生法 第66条の10)

👉 「適用除外だから不要」は完全な誤り


経営者が取るべき実務対策【重要】

① 労働時間の把握・記録

  • タイムカード・PCログ・自己申告
  • 「把握しない」は最も危険

② 一定時間超で産業医・医師面談

  • 月80時間相当を一つの目安に
  • 面談記録を残す

③ 業務量の調整

  • 管理職に仕事が集中していないか
  • 人員配置・権限分散の検討

④ 休暇取得の促進

  • 管理職ほど休まない傾向
  • 経営側からの声かけが重要

⑤ 制度の適正運用チェック

  • 本当に管理監督者に該当するか
  • 裁量労働制の要件・手続きは適正か

まとめ(経営者の方へ)

  • 時間規制がない=健康管理不要ではない
  • 管理監督者・裁量労働制こそ過労リスクが高い
  • 事故・発症後では手遅れ
  • 「把握・面談・調整」が最大の予防策

過労死リスクへの対応は、経営リスクそのものです。


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