労務管理

【経営者向け解説】令和8年度 厚生労働省所管予算案から読み解く、これからの労務管理の方向性

ひらおか社会保険労務士事務所


はじめに(経営者の方へ)

令和7年12月26日、「令和8年度予算政府案」が閣議決定され、
各省庁から所管予算案が公表されました。

その中でも、厚生労働省の令和8年度予算案は、
今後の 人事・労務管理の方向性を示す重要なメッセージ が数多く含まれています。

本記事では、

  • 厚生労働省予算案のポイント
  • 中小企業・現場経営への影響
  • 今後、経営者が意識すべき実務対応

を、わかりやすく解説します。

令和8年度予算案の大きな背景

今回の厚生労働省予算案では、
日本社会が 「労働供給制約社会」へ本格的に突入 していることが、明確に示されています。

つまり、

  • 人手不足は一時的な問題ではない
  • 今後も「人が足りない」前提で経済・社会が動く

という認識が、国の前提条件になっています。


厚生労働省予算案の3つの柱

Ⅰ.社会構造の変化に対応した保健・医療・介護の構築

  • 医療・介護分野の人材確保・定着
  • 現場の負担軽減
  • 地域医療・介護体制の維持

👉 医療・介護業界では「人材確保+働き続けられる環境整備」が最優先課題


Ⅱ.物価上昇を上回る賃上げの普及・定着

 + 三位一体の労働市場改革の推進

  • 賃上げ支援
  • 人への投資(リスキリング・能力開発)
  • 成長分野への円滑な労働移動

👉 「賃上げできる企業」だけが人材を確保できる時代へ


Ⅲ.包摂的な地域共生社会の実現等

  • 高齢者、女性、外国人、障害者など多様な人材の活躍
  • 地域で支え合う仕組みづくり

👉 多様な働き方を前提とした雇用管理が求められる


【事例】現場の経営にどう影響するのか

事例①:賃上げを検討せざるを得なくなった中小企業

  • 採用募集を出しても応募が来ない
  • 同業他社が初任給を引き上げ
  • 国の方針も「賃上げ前提」

賃金制度の見直しを避けられない状況に


事例②:医療・介護事業所の人材定着対策

  • 離職率が高止まり
  • 夜勤・長時間労働が常態化
  • 国は「働き続けられる環境整備」を重視

労働時間管理・休暇制度・職場環境改善が急務


事例③:建設業での人材確保・育成

  • 若年層の入職が進まない
  • 技能継承が課題
  • 国交省・厚労省連携で人材育成施策を強化

教育訓練・助成金活用が経営戦略の一部に


経営者が今後、意識すべき実務ポイント

① 賃金・評価制度の見直し

  • 「横並び賃金」からの脱却
  • 納得感のある評価制度が不可欠

② 人材定着を前提とした労務管理

  • 長時間労働の是正
  • 休暇取得促進
  • メンタルヘルス対策

③ 国の施策・助成金を前提にした経営

  • 人材開発支援
  • 処遇改善
  • リスキリング支援

👉 「知らなかった」では済まされない時代


経営者の皆さまへ(まとめ)

  • 国はすでに「人手不足前提」で動いている
  • 賃上げ・人材育成・多様な働き方は避けて通れない
  • 労務管理は「コスト」ではなく「投資」

令和8年度予算案は、これからの経営の方向性を示す“地図”です。


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