ひらおか社会保険労務士事務所
企業には、従業員が健康を損なうことなく安全に働ける環境を整える
「安全配慮義務」があります。
過労死等の防止は、単なる労務管理ではなく
企業の存続に直結する経営課題です。
最新の白書では、脳・心臓疾患や精神障害による労災請求件数が依然高水準であることが示されています。
本記事では、経営者が実務で何をすべきかを具体的に解説します。
1.長時間労働の削減は「最優先事項」
過労死の大きな要因は長時間労働です。
特に、
・月100時間超
・2~6か月平均80時間超
は健康障害リスクが急激に高まる水準とされています。
【事例】
IT企業A社
繁忙期に月95~110時間の残業が常態化。
社員が心疾患で倒れ、労災認定。
企業イメージ低下・採用難に発展。
■ 経営者がすべき実務対応
✔ 客観的な労働時間把握(ICカード・PCログ等)
✔ 36協定の管理職研修実施
✔ 特別条項の乱用防止
✔ 月45時間超の早期アラート運用
2.過重労働による健康障害の防止
時間外労働が一定水準を超えると、
脳・心臓疾患の発症リスクが高まります。
【事例】
入社半年の若手社員に業務集中。
指導不足+過重労働でうつ病発症。
→「安全配慮義務違反」を問われる可能性。
■ 実務対応
✔ 長時間労働者への医師面接指導
✔ 新入社員の業務量調整
✔ 高齢・持病のある社員への配慮
✔ 疲労蓄積チェックリスト活用
3.働き方の見直しがリスクを下げる
長時間労働を減らすだけでは不十分です。
✔ 年次有給休暇の計画的付与
✔ 勤務間インターバル制度
✔ テレワークの適切運用
などが重要です。
【事例】
営業部門で深夜メール文化が常態化。
実質インターバルなし。
→ 睡眠不足→判断力低下→重大ミス発生。
■ 経営者が考えるべきこと
「効率」と「健康」は両立する。
長期的に見れば
健康投資=生産性向上です。
4.メンタルヘルス対策の強化
精神障害事案の労災請求は年々増加しています。
2023年の認定基準改正で
カスタマーハラスメントも評価対象に。
【事例】
クレーム対応担当者が強い心理的負荷を受け休職。
会社に相談窓口がなかったため初動対応が遅れ、
トラブル拡大。
■ 実務でやるべきこと
✔ 相談窓口の明確化
✔ プライバシー保護の徹底
✔ 不利益取扱いの禁止周知
✔ ストレスチェック制度の理解(今後義務化対象拡大)
5.ハラスメント対策は「予防→対応→再発防止」
ハラスメントは放置すると組織崩壊を招きます。
重要なのは一連の対応。
①方針周知
②迅速な事実確認
③再発防止策の実行
まとめ:過労死対策は“コスト”ではなく“経営戦略”
✔ 労災リスクの回避
✔ 採用力向上
✔ 離職率低下
✔ 生産性向上
過労死等防止は
「守り」ではなく「攻めの経営」です。
経営者の皆さまへ
「うちは大丈夫」と思った時が一番危険です。
✔ 長時間労働が常態化していないか
✔ 管理職が36協定を理解しているか
✔ 相談窓口は機能しているか
一度、チェックしてみませんか?
📩 職場環境の健康診断を実施しませんか?
✔ 労働時間管理に不安がある
✔ ストレスチェックを活かせていない
✔ ハラスメント対応体制を整えたい
ひらおか社会保険労務士事務所
「笑顔を守る社労士、平岡です!」