高額療養費「年間上限」新設へ ― 経営者が知っておくべき実務ポイント
■ 医療保険制度改革の方向性が公表されました
厚生労働省は令和8年2月25日、
「現在検討している医療保険制度改革についての考え方」を公表しました。
今回の改革の目的は、
✔ 医療保険制度を将来にわたり持続可能にする
✔ 現役世代の保険料負担の上昇を抑制する
✔ 全世代の納得感・信頼を維持する
というものです。
■ 今回の大きなポイント
「高額療養費制度」の見直し
① 月単位の自己負担の見直し
医療費の伸びや所得水準に応じた負担調整を行う方向。
② 🔵 年間上限の新設
これが実務上の重要ポイントです。
現在は「月単位」の自己負担上限ですが、
今後は
✅ 年単位の自己負担上限を新設
する方向で検討されています。
つまり、
✔ 月ごとの上限を超えた負担が続いても
✔ 年間の累計が一定額に達すれば
✔ それ以上は支払不要
という仕組みです。
※現在、関係予算案が審議中で、今後法改正予定。
■ 経営者にとって何が重要か?
「国の制度の話でしょ?」と思われがちですが、
実は企業経営に直結します。
■ 事例で考える
【事例①】従業員30名の製造業
50代社員ががん治療を開始。
毎月高額療養費制度を利用していたが、
- 休職相談
- 傷病手当金申請
- 職場復帰の調整
と会社側の対応負担が大きかった。
年間上限が導入されれば、
✔ 長期治療者の自己負担予測が立てやすい
✔ 生活不安の軽減
✔ 退職リスクの抑制
につながります。
【事例②】医療機関(従業員15名)
若手看護師が慢性疾患で通院継続。
「医療費が不安で退職を検討」と相談。
年間上限があれば、
✔ 経済的安心感
✔ 働き続ける選択肢の確保
✔ 人材流出防止
につながる可能性があります。
■ 企業実務で押さえるべき3点
① 傷病手当金との関係
医療費負担と収入減少はセットで発生します。
社会保険の理解不足は、
従業員の退職リスクに直結します。
② メンタルヘルス対応との連動
長期療養者の不安は
✔ 医療費
✔ 収入
✔ 将来不安
が複合的に絡みます。
制度を説明できる企業は、信頼を得ます。
③ 人材定着戦略としての制度理解
今後、
- 保険料負担の調整
- 給付と負担の見直し
が続く可能性があります。
経営者が制度を理解していないと、
✔ 社員説明ができない
✔ 不信感が生まれる
✔ 離職につながる
という流れになります。
■ 改革の本質
今回の医療保険制度改革は、
「給付を守るために、負担の仕組みを見直す」
という方向性です。
企業としては、
制度変更をリスクではなく、
🔵 従業員支援の知識武装
と捉えることが重要です。
■ 今後想定される動き
- 法令改正
- 保険料率調整
- 企業への説明責任の増加
- 福利厚生制度の再設計
特に中小企業では、
「制度が難しくてわからない」が最大のリスクです。
■ まとめ
医療保険制度改革は、
経営者にとって
✔ 人材定着
✔ メンタルヘルス対策
✔ 長期療養者対応
に直結するテーマです。
制度を理解し、説明できる企業が
これからの時代、選ばれます。
📩 医療制度・社会保険制度の説明でお困りではありませんか?
- 従業員から医療費の相談を受けた
- 傷病手当金の説明が不安
- 医療機関として制度を理解しておきたい
- 制度改正が多くて追いきれない
初回相談は無料です。
ひらおか社会保険労務士事務所
― 医療に強い社労士として、制度改正にも伴走します ―