給与計算担当者が押さえておくべきポイント
厚生労働省より、令和8年度の雇用保険料率が公表されました。
今回の改定では、令和7年度より0.1%引き下げとなっています。
雇用保険料率は、毎月の給与計算に直接影響するため、
経営者や労務担当者は必ず内容を確認しておく必要があります。
本記事では、
- 令和8年度の雇用保険料率
- 変更の適用タイミング
- 実務でよくあるミス
- 実際の計算例
を、実務に役立つ形でわかりやすく解説します。
令和8年度の雇用保険料率
主な料率は以下のとおりです。
一般の事業
- 労働者負担:5 / 1,000
- 事業主負担:8.5 / 1,000
- 合計:13.5 / 1,000
※前年は14.5 / 1,000でした。
つまり、
👉 従業員の給与から控除する保険料は少し下がる
ということになります。
料率変更のタイミング
ここは実務で非常に間違えやすいポイントです。
雇用保険料率は
「4月1日以降に最初に到来する締日」
から適用されます。
つまり
支払日ではなく「締日」で判断します。
例①
当月締め・当月払い
締日:4月20日
支払日:4月30日
→ 4月給与から新料率
例②
末締め・翌月払い
締日:3月31日
支払日:4月25日
→ 4月給与は旧料率
→ 5月給与から新料率
雇用保険料の対象になる賃金
雇用保険料は
「労働の対償として支払われるもの」
が対象です。
対象になるもの
- 基本給
- 残業手当
- 通勤手当
- 扶養手当
- 役職手当
- 賞与
対象にならないもの
- 出張旅費
- 実費弁償
- 慶弔見舞金
- 退職金
※名称ではなく
「労働の対価かどうか」で判断します。
実際の計算例(令和8年4月以降)
例えば次の給与の場合
基本給 325,800円
扶養手当 20,000円
通勤手当 15,000円
出張旅費 20,000円
まず対象賃金を計算します。
325,800 + 20,000 + 15,000
= 360,800円
ここに料率を掛けます。
360,800 × 5 / 1000
= 1,804円
👉 従業員負担の雇用保険料
1,804円
となります。
※出張旅費は対象外です。
【実務事例】給与計算のミス
実際にあった事例をご紹介します。
事例
ある会社で、4月給与から新料率に変更する予定でした。
しかし
給与計算ソフトの設定変更を忘れ
6月まで旧料率で控除していました。
結果
- 従業員から過徴収
- 修正対応
- 年度更新の計算やり直し
という手間が発生しました。
経営者が注意すべきポイント
給与計算担当者には
次の点を必ず確認しましょう。
チェックポイント
□ 給与ソフトの料率変更
□ 4月給与の締日確認
□ 通勤手当の扱い確認
□ 対象賃金の範囲
特に
「締日基準」
を間違える会社が多いため注意が必要です。
今後の法改正にも注意
さらに重要な改正として、
2028年10月
雇用保険の加入条件が変わります。
現在
週20時間以上
↓
週10時間以上へ拡大
となる予定です。
つまり、
パート社員の雇用保険加入が増える可能性
があります。
まとめ
令和8年度のポイント
- 雇用保険料率は0.1%引き下げ
- 変更は4月1日以降の最初の締日
- 対象賃金の判断に注意
- 給与ソフトの設定変更を忘れない
給与計算は小さなミスでも
会社の信用問題につながることがあります。
制度変更がある際には
早めの確認をおすすめします。
労務管理のご相談はこちら
雇用保険や給与計算、助成金など
労務管理でお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。
ひらおか社会保険労務士事務所では
企業の状況に合わせた労務管理サポートを行っております。