~給与計算・年末調整に影響あり?企業が押さえるべき実務対応~|ひらおか社会保険労務士事務所
令和8年3月31日、
「所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号)」 が成立・公布されました。
今回の税制改正では、
- 物価高への対応
- 賃上げ促進
- 設備投資の促進
などを目的とした改正が行われています。
特に企業にとって重要なのは、
給与計算・源泉徴収・年末調整に影響する改正が含まれている点です。
今回は、経営者の方が押さえておきたいポイントを
実務視点でわかりやすく解説します。
令和8年度税制改正の主なポイント
今回の税制改正の主な内容は以下のとおりです。
① 基礎控除の見直し(課税最低限の引き上げ)
物価上昇への対応として、
所得税の課税最低限が178万円まで引き上げられる特例措置
が導入されます。
これにより
- 低所得層の税負担軽減
- 就業調整(いわゆる年収の壁)の改善
が期待されています。
② 賃上げ促進税制の見直し
企業の賃上げを促進するため、
- 賃上げ促進税制の要件見直し
- 税制優遇の強化
が行われています。
賃上げを実施した企業は、
法人税の税額控除を受けられる可能性があります。
※詳細は企業規模ごとに異なります。
③ 大胆な設備投資を促す税制の創設
企業の成長投資を促すため、
- 設備投資に関する税制優遇措置
が創設されました。
特に
- DX投資
- 生産性向上設備
などが対象となる可能性があります。
④ 高所得者の課税強化
税負担の公平性を確保するため、
- 高所得者に対する課税の見直し
- グローバル・ミニマム課税の見直し
- 防衛特別所得税の創設
などが行われます。
⑤ 通勤手当の非課税限度額の見直し
所得税法施行令の改正により、
通勤手当の非課税限度額の見直し
も行われています。
これは
- 月次給与計算
- 年末調整
に影響する可能性があります。
企業の実務への影響
今回の改正で企業の実務に影響する主なポイントは次の3つです。
① 給与計算への影響
課税最低限の変更により
- 源泉徴収額
- 年末調整
に影響が出る可能性があります。
給与計算ソフトの設定変更が必要になる可能性もあります。
② 年末調整の対応
以下の点に注意が必要です。
- 基礎控除額の変更
- 扶養控除の判断
- 課税所得の計算
年末調整の計算方法が変更される可能性があります。
③ 通勤手当の課税処理
通勤手当の非課税限度額の改正により、
- 課税対象になる通勤手当
- 非課税通勤手当
の判断が変わる可能性があります。
【実務事例】給与計算でよくあるケース
事例① 年収の壁を気にして働くパート社員
ある会社では、
- パート社員が「年収103万円以内」で働く調整をしていました。
今回の改正により
課税最低限が引き上げられることで、
「年収を少し増やしても税金が増えない」
可能性があります。
結果として
- 労働時間を増やす
- 人手不足の改善
につながる可能性があります。
事例② 通勤手当の扱い
ある会社では
- 通勤手当:月20,000円
を支給していました。
通勤手当の非課税限度額が変更された場合、
- 非課税扱い
- 課税対象
の判断が変わる可能性があります。
そのため
給与計算担当者は制度変更の確認が必要です。
今後の対応(企業がやるべきこと)
企業としては次の対応を検討しましょう。
① 税制改正の内容を確認する
- 国税庁の情報
- 税理士からの情報
を確認しましょう。
② 給与計算ソフトの設定確認
改正内容により
- 源泉徴収額
- 年末調整
の設定変更が必要になる場合があります。
③ 社内への情報共有
- 経理担当者
- 総務担当者
への情報共有が重要です。
まとめ
令和8年度税制改正では
- 課税最低限の引き上げ
- 賃上げ促進税制の見直し
- 通勤手当の非課税限度額の改正
など、企業実務に影響する改正が行われました。
特に
給与計算・年末調整に影響する可能性があるため、
今後の国税庁の情報を確認することが重要です。
税制改正や労務管理でお困りの企業様へ
税制改正に伴い、
- 給与計算
- 就業規則
- 助成金活用
など、企業の実務対応が必要になるケースがあります。
当事務所では
企業の労務管理や助成金活用をサポートしています。
お気軽にご相談ください。