~36協定があればOK?健康面・労務リスクから考える~
こんにちは。ひらおか社会保険労務士事務所です。
現場では、人手不足や急なシフト変更により、従業員が10日以上連続で働くケースも見られます。
特に次のような相談を受けることが増えています。
「休日出勤をお願いした結果、14日連続勤務になりました。
週1日の休日が取れていませんが、労基法違反になりますか?」
今回は法律上の考え方と実務でのリスク管理を、事例を交えてわかりやすく解説します。
📌 法律上は「36協定内であれば」即違法ではない
労働基準法では、原則・毎週1回の休日(週休)を与える必要があります。(労基法35条)
しかし、36協定を締結し、休日労働が協定内であれば、14日連続で勤務させても直ちに違法とはなりません。
| 項目 | 法律上の判断 |
|---|---|
| 36協定あり | 協定内なら連続勤務は形式上OK |
| 36協定なし | 休日労働=労基法違反 |
| 上限時間超過 | 過労死ライン・行政指導の対象 |
🚨しかし、ここで安心してしまうのは危険です。
⚠ 実務で最も重要なのは「健康リスク」と「労災リスク」
“違法でなくても、安全とは言えない”
14連勤などの過重労働では、以下のリスクが極めて高まります。
| リスク | 内容 |
|---|---|
| 健康リスク | 過労による脳・心疾患、メンタル不調 |
| 労災認定 | 長時間労働で労災請求・企業責任 |
| 行政指導 | 労基署が指導・改善勧告 |
| 企業イメージ | SNS・口コミなどで炎上リスク |
特に、過労死等の労災認定基準(発症前1か月に100時間超・2〜6か月80時間超)を超えれば、死亡災害時に企業責任が問われます。
🧾【実例】スタッフが14連勤した飲食店A社のケース
人手不足により店長Bさんが14日連続勤務
一見元気に働いていたが、翌月うつ症状で休職
労基署調査が入り、会社は労働時間管理の不備を指摘される
結果:
・法令違反とはされなかったものの、
・「安全配慮義務違反」のリスクが指摘され、改善指導。
🛠 14連勤を防ぐための実務対策(企業がやるべきこと)
| 対策 | 実務アクション |
|---|---|
| 📅 シフト管理 | 勤務日数・週休のチェック表を導入 |
| 📝 36協定の見直し | 休日労働の上限・回数を明記 |
| 🗣 面談・声掛け | 連続勤務者には管理者が状態確認 |
| ⚕ 産業医・社労士相談 | 長時間労働者へのケア体制 |
❗ 注意:36協定は“免罪符”ではありません
「36協定があるから大丈夫」は大きな誤解です。
企業には「安全配慮義務」(労働契約法5条)があり、
従業員の心身の安全を守る責任があります。
14連勤を放置して事故・病気が起これば、
企業責任(損害賠償・安全配慮義務違反)となる可能性もあります。
✅ まとめ:14連勤は“合法かどうか”ではなく“安全かどうか”
| 視点 | 判断 |
|---|---|
| 労基法上 | 36協定内なら違法とは限らない |
| 実務上 | 原則 NG(健康・労災リスク) |
| 経営判断 | 働き方の見直し・人員補充が必要 |
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