労務管理

【実務解説】その寄り道、大丈夫?

通勤途中の寄り道が「通勤」と認められないケースとは

通勤途中に「ちょっと寄り道」をすること、ありませんか?
しかし、寄り道の内容によっては 通勤扱いにならず、万が一の事故でも労災認定されない ことがあります。

本記事では、労災保険法に基づき、
どこまでの寄り道なら認められるのか/NGとなるのか を事例つきで分かりやすく解説します。

1.まず確認:法律上の「通勤」とは?

労災保険法では、通勤を以下のように定義しています。

「住居と就業の場所との間を、合理的な経路および方法で往復すること」

ポイントは以下の2つです。

合理的な経路(最短でなくてもOK・社会的に妥当である道)
就業に向かう(戻る)途中であること

ここから外れる行為が「逸脱」「中断」と判断されます。


2.寄り道が「通勤」と認められないとどうなる?

通勤ではないと判断されると、事故にあっても 通勤災害として労災保険が使えません。

認められる場合認められない場合
通勤途中のスーパーでの買い物カフェやレストランでの飲食
子どもの保育園送迎カラオケ・映画・友人宅の訪問
選挙の投票趣味や娯楽目的の寄り道
親族の介護ジム通い、ショッピング

3.例外として認められる「日常生活上の必要行為」とは?

法律では、以下のような行為は例外的に認められています。

認められる行為理由
日用品の買い物生活維持のため
子どもの送迎家族生活上必要
病院での診察治療行為
選挙投票公的義務
要介護家族の介護社会的相当性あり

4.【実例】通勤災害が認められなかったケース

≪事例:20代男性会社員≫
退勤後、同僚とカフェで雑談をしてから帰宅。
帰り道に交通事故に遭ったが、**「私的行為による中断」**と判断され、通勤災害は認められませんでした。

ポイント:カフェ・外食・娯楽は“私的寄り道”とされる可能性が高い


5.【よくある質問Q&A】

QA
上司との飲み会の帰りは通勤?❌ 私的な懇親会であれば通勤外
保育園送迎は?✅ 認められる
お見舞いは?❌ 基本NG(ただし介護はOK)
届出と違う道だとダメ?✅ 合理的ならOK

6.企業がすべき安全配慮とは?

従業員に以下の内容を周知することが重要です。

🔹 通勤経路の届出・変更手続き
🔹 寄り道による保険適用外のリスク説明
🔹 安全運転・交通事故防止教育


まとめ:寄り道は“自由”でも、リスクは自分持ち

✅ 日常生活に必要な行為=OK
❌ 私的な娯楽や寄り道=NG
🚨 労災が使えないと、治療費全額負担の可能性も!


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