労務管理

【実務解説】昼休み中の来客当番は労働時間?|休憩時間の正しい取り扱いとは

ひらおか社会保険労務士事務所

休憩時間は、労働者が心身をリフレッシュするために欠かせない時間です。
しかし現場では、

  • 「昼休み中に電話当番をお願いしている」
  • 「来客対応はほぼ発生しないから、待機だけなら休憩扱いでいいのでは?」
  • 「交代制で当番を決めているが、労働時間になるのか?」

といったご相談が非常に多いです。

今回は、厚生労働省の通達(基発第150号・基発第17号)をもとに、 昼休み中の来客当番が労働時間に当たるかどうかをわかりやすく解説 します。

1. 昼休み中の来客当番は「労働時間」

まず、厚生労働省の公式回答です。

休憩時間に来客当番として待機していれば、それは労働時間である。
(昭和63年3月14日 基発第150号)

つまり、
「休憩中に何かあれば対応してね」と待機させるだけで、労働時間扱い になります。

理由は、休憩時間の本来の意味にあります。


2. 休憩時間の意義(基発第17号)

通達では次のように定義されています。

休憩時間とは、労働者が“権利として労働から離れることを保障されている時間”である。
(昭和22年9月13日 基発第17号)

つまり、

  • 呼び出される可能性がある
  • 電話や来客があれば対応する必要がある
  • その場を離れられない

このような「拘束されている状態」は休憩とは言えません。


3. 事例で理解する「昼休み中の当番」

事例①:工場の事務所での来客当番(通達そのまま)

工場の事務所で12時〜13時の間、来客対応をする職員を1名配置。
来客はほぼないものの、万が一の場合は応対が必要。

→ この1時間は労働時間。
※別途、休憩を与える必要あり。


事例②:電話当番として席を外れられない

昼休憩中に「電話鳴ったら取ってね」と言われるケース。

→ この時点で“労働から完全に離れていない”ため労働時間。


事例③:昼休憩中に「出荷トラック来たら連絡して」と指示

連絡だけでよく、作業はしない場合。

→ 出荷に備えた“手待ち時間”であり労働時間。

休憩は、完全に自由に使える時間でなければなりません。


4. 実務で必ず押さえるポイント

(1)休憩中に当番をさせるなら 別の時間に休憩を付与

休憩時間を他の時間帯に振り替える必要があります。

ただし注意点:

休憩時間帯の変更には労基署の許可が必要(34条2項但し書)
昭和63年基発150号より

当番が常態化している企業は特に注意してください。


(2)就業規則に「休憩の取り扱い」を明記

特に以下を記載しておくとトラブル防止になります。

  • 休憩中は完全に業務から離れること
  • 来客対応・電話当番は労働時間となる
  • やむを得ず当番に入る場合の休憩振替

(3)当番制にする場合のよくある誤解

誤解:「順番に当番制なら休憩扱いでよい」
→ 誤り。拘束される時点で労働時間。


5. 企業側がやるべき対策まとめ

  • 休憩中に当番を設定しない
  • 当番が必要なら、当番者には別の休憩時間を必ず付与
  • 就業規則で休憩時間のルールを明示
  • 「手待ち=休憩」という誤った認識を改める
  • 勤怠管理上、当番時間は労働時間として記録する

特に中小企業の現場では、 「昼休み中の電話当番だから休憩でいいよね?」 と軽く考えてしまうことが多く、後の未払い残業問題・労基署指摘につながるケースもあります。


6. まとめ

昼休み中の来客当番・電話当番は、すべて労働時間です。
(基発150号・基発17号)

休憩とは、
“完全に業務から離れられる時間” が確保されていることが前提。

労働時間管理・未払い残業リスクを避けるためにも、
休憩時間の取り扱いを今一度見直していただくことをおすすめします。


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