冬は、インフルエンザや新型コロナウイルスが特に流行しやすい季節です。
今年も例外ではなく、インフルとコロナの同時流行が予測されています。
事業所としては、従業員の安全を守るだけでなく、業務停止リスクを防ぐためにも、正しい知識とルールの徹底が欠かせません。
本記事では、従業員向け説明資料(社内向け)の内容をもとに、
企業・職場が押さえるべき実務ポイントを 事例付きでわかりやすく解説します。
1. なぜ冬は感染症が広がりやすいのか?
資料の冒頭では、冬の感染症リスクについて次のように説明されています。
- 冬は乾燥し、ウイルスが空気中で生き残りやすい
- インフルエンザもコロナも 症状が似ており見分けにくい
- 飛沫感染・接触感染という共通のルートがある
したがって、
「どちらか分からない前提」で共通の予防対策を徹底することが最も重要です。
2. 冬の感染症予防:職場で必ず徹底すべき5つの基本行動
資料の1ページ目では、感染予防として以下の5つの行動が推奨されています。
① 予防接種(推奨)
- 早めのインフルエンザ/コロナワクチン接種を検討
- 発症や重症化リスクを大幅に下げることが可能
〈事例〉
飲食店スタッフが予防接種を受けていたことで、同居家族が感染しても本人は発症せず、職場のクラスター化を防げた。
② 手洗い・消毒(徹底)
- 外出後、食事前、共有物に触れた後に実施
- ウイルスの“物理除去”が目的
③ 換気(習慣化)
- 1〜2時間に一度は窓を開け、空気を入れ替える
- 会議室・休憩室などは特に注意
④ マスクの適切な着用(配慮)
- 医療機関に行く時
- 電車・バスなどの混雑空間
- 咳やくしゃみが出るときは 必須
⑤ 免疫力を高める生活習慣(基本)
- 睡眠
- バランスのよい食事
- 適度な運動
3. 「少し体調が悪い」と感じた時の正しい行動フロー
資料2ページ目では、体調不良時の具体的な行動フローが示されています。
以下は職場で推奨すべき標準ルールです。
① 無理をして出社しない
- 「風邪かもしれない」と軽く考えない
- 少しでも異変を感じたら休養することが大切
② まずは上長へ連絡
- 電話・チャットで「体調不良のため休む」と速やかに報告
- 遠慮は不要(感染拡大防止が最優先)
③ 医療機関へ相談・受診
- 事前に電話で相談
- 受診時はマスクなど感染対策を徹底
④ 診断結果を会社へ報告
報告すべき情報は次の2点:
- 診断名(インフル/コロナなど)
- 発症日(医師の診断による)
→ 出勤停止期間の判断のために必要
4. 感染した場合の出勤停止期間(実務で最も重要)
資料では、感染症ごとに出勤停止の基準が示されています。
◆ インフルエンザ
「発症した後5日を経過し、かつ、解熱後2日を経過するまで」
(学校保健安全法の基準に準拠)
◆ 新型コロナウイルス
「発症後5日を経過し、かつ、症状が軽快した後1日を経過するまで」
(厚生労働省の最新基準)
〈実務事例〉
従業員Aさんがコロナに感染。
発症:12月1日
解熱:12月4日
軽快:12月5日→ 出勤可能日は 12月6日以降(発症後5日+軽快後1日)
5. 休暇の扱い(会社の規定が重要)
資料では以下の対応例が示されています。
◆ 特別休暇(有給)を適用
- インフルエンザ
- コロナ
→ 多くの企業で「特別休暇扱い」として運用
◆ 年次有給休暇の利用も可能(本人希望)
◆ 長期休養が必要な場合
→ 傷病手当金(健康保険)が利用できる可能性あり
(連続4日以上の休業などの条件あり)
6. 家族の感染・休園・学級閉鎖への対応(実務で頻発)
資料には「子の看護等休暇」「介護休暇」が利用できると書かれています。
【利用できるケースの例】
- 家族が感染し看護が必要
- 保育園が休園、学校が学級閉鎖
- 家族の予防接種の付き添い
【ポイント】
- 時間単位(1時間)で取得可能
- 有給/無給は会社の規程による
- 法律で認められた休暇なので、従業員に周知が必要
7. まとめ:冬の感染症は「職場ルールの明確化」がポイント
冬の感染症対策は、
“感染しない工夫” と “感染時の正確な手続き” がセット
であることが重要です。
企業側としては:
- 感染時の出勤停止基準
- 特別休暇の取り扱い
- 報告フロー
- 家族感染時の休暇(子の看護等休暇・介護休暇)
これらを明確にし、従業員に分かりやすく周知することが職場の混乱を防ぎます。
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