労務管理

【実務解説】昼休み中の来客当番は「労働時間」?

― 休憩時間の勘違いが招く思わぬリスク ―
|ひらおか社会保険労務士事務所

はじめに(経営者の皆さまへ)

「昼休み中、電話や来客があれば対応してもらっている」
「実際はほとんど何もしていないから休憩扱いにしている」

このような運用、無意識のうちに行っていませんか?

実はこの対応、労働基準法上は“休憩時間ではなく労働時間”と判断される可能性が高いのです。

今回は、通達をもとに
「昼休み中の来客当番」と「休憩時間の本当の意味」を、実務目線で解説します。

1.昼休み中の来客当番は労働時間になる?

通達の結論は明確です

通達では、次のように示されています。

休憩時間に来客当番として待機させていれば、それは労働時間である

つまり、

  • 来客が「あるかもしれない」
  • 電話が鳴ったら対応する
  • 事務所に残るよう指示している

このような状態は、自由に利用できる休憩時間とはいえず、「労働時間」と扱われます

2.なぜ「待っているだけ」でも労働時間になるのか

ポイントは「拘束されているかどうか」

労働基準法上の休憩時間とは、

労働者が権利として労働から完全に離れることを保障されている時間

とされています。

✔ 外出できる
✔ 私的な用事を自由にできる
✔ 業務対応の義務がない

このような状態で初めて「休憩時間」です。

一方、

  • 来客対応のため事務所に残る
  • いつでも業務に戻れる状態で待機

これは「手待ち時間」であり、労働時間に該当します。

3.【実務事例】昼休み当番が原因で是正指導を受けたケース

事例:製造業(従業員30名)

  • 昼休み(12:00〜13:00)に1名が来客当番
  • 実際の来客はほぼなし
  • 勤怠上は「休憩1時間」として処理

👉 労基署調査により、

  • 当番時間は労働時間
  • 休憩を与えていない状態

と判断され、未付与休憩・未払い残業代の是正を求められました。


4.昼休み中に来客当番を置く場合の正しい対応

通達では、次の点も示されています。

  • 来客当番をさせた場合
     → 別途、休憩時間を与える必要がある
  • ただし、その場合
     → 労基署長の許可(労基法34条2項ただし書)が必要

つまり、

❌ 「昼休み=休憩」と一律処理
⭕ 「当番時間は労働時間」「別の時間に休憩付与」

という整理が不可欠です。


5.経営者が確認すべきチェックポイント

以下に当てはまる場合は、運用の見直しをおすすめします。

  • 昼休み中に電話・来客対応をさせている
  • 「何もしていないから休憩」という認識
  • 事務所待機を暗黙のルールにしている
  • 休憩時間の自由利用を明確にしていない

6.実務対応のポイント(まとめ)

✔ 休憩時間は「完全に業務から解放」されているか
✔ 来客当番・電話番は労働時間として扱う
✔ 必要に応じて別途休憩を付与する
✔ 勤怠・就業規則の整合性を確認する

小さな運用の違いが、是正指導・未払いリスクにつながります。


昼休み・休憩時間の運用に不安がある経営者さまへ

「これって休憩扱いで大丈夫?」
「今の勤怠処理、問題ないかな…」

そんなときは、早めの確認が一番のリスク対策です。

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