短時間労働者労働時間延長支援コースとは?
~年収の壁対策と助成金活用のポイント~
ひらおか社会保険労務士事務所
人手不足が続く中、
「もっと働いてもらいたいが、年収の壁が気になる」
「社会保険加入で本人の手取りが減るのでは?」
このようなお悩みをお持ちの経営者の方も多いのではないでしょうか。
そのような背景を踏まえ、キャリアアップ助成金に新設されたのが
「短時間労働者労働時間延長支援コース」です。
本記事では、制度の概要から実務上の注意点、活用事例まで、
経営者目線でわかりやすく解説します。
「短時間労働者労働時間延長支援コース」とは?
このコースは、いわゆる「年収の壁」への対応策として創設された助成金です。
制度のポイント
短時間労働者(パート・有期契約社員など)について、
- 週所定労働時間を延長し
- 新たに社会保険(健康保険・厚生年金)へ加入させ
- 収入を増加させた場合
に、事業主に対して助成金が支給されます。
👉
単なる社会保険加入だけでなく、
「労働時間の延長」と「収入増加」がセットになっている点が特徴です。
なぜ今、この助成金が注目されているのか?
背景には、以下のような企業側・労働者側の課題があります。
- 人手不足で、もっと働いてほしい
- でも「106万円・130万円の壁」で労働時間を増やせない
- 社会保険加入による手取り減少への不安
この助成金は、
👉 労働時間を延ばす企業
👉 収入を増やしたい労働者
双方にメリットのある制度として位置づけられています。
支給対象となる主な要件(概要)
※詳細要件は個別確認が必要ですが、主なポイントは次のとおりです。
対象となる労働者
- 短時間労働者(パート・有期契約社員など)
- 社会保険未加入だった者
主な取組内容
- 週所定労働時間を延長すること
- 延長により、社会保険の加入要件を満たすこと
- 実際に社会保険へ加入させること
📌 事前の計画・社内整備が非常に重要な助成金です。
【実務事例①】飲食業(パートスタッフ)
ケース
- 週20時間勤務のパート従業員
- 人手不足のため、週30時間へ延長
- 社会保険に新規加入
結果
- 従業員:収入アップ・雇用安定
- 会社:戦力確保+助成金活用
👉 「辞めずに長く働いてもらえる」という効果も期待できます。
【実務事例②】小売業(主婦パート)
ケース
- 年収の壁を気にしてシフトを抑えていた従業員
- 助成金制度を説明したうえで労働時間延長
- 社会保険加入+処遇改善
ポイント
- 制度説明を丁寧に行うことで、本人の不安を解消
- 労使双方が納得したうえでの制度活用が重要
従来コースからの切り替えにも注意
これまで活用されていた
「社会保険適用時処遇改善コース」から、
本コースへ切り替えるケースも想定されています。
- 計画書の作成
- 就業規則・雇用契約書の見直し
- 申請書類の整合性確認
など、実務上の確認ポイントが多いため注意が必要です。
経営者の方へ|活用前に必ず確認したいポイント
✅ 労働時間延長の設計は適切か
✅ 社会保険加入のタイミングは問題ないか
✅ 就業規則・雇用契約書は整備されているか
✅ 助成金スケジュールを把握しているか
助成金は
「後から何とかする」ことができない制度です。
事前準備が成否を分けます。
まとめ|年収の壁対策と人材定着を同時に
「短時間労働者労働時間延長支援コース」は、
- 年収の壁対策
- 人手不足への対応
- 人材定着・戦力化
を同時に進められる、実務的に非常に有効な助成金です。
ひらおか社会保険労務士事務所では、
- 助成金の活用可否チェック
- 制度設計・書類作成
- 就業規則・契約書の整備
まで、実務を踏まえてサポートしています。