ひらおか社会保険労務士事務所
はじめに(経営者・総務担当者の方へ)
令和7年12月26日に閣議決定された
「令和8年度税制改正の大綱」において、
住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)の延長・拡充が盛り込まれました。
これを受けて、国土交通省から、
制度変更の概要が公表されています。
住宅ローン減税は、
👉 年末調整で会社が関与する制度
であるため、経営者・給与担当者としても、概要は押さえておきたいところです。
今回の制度改正の位置づけ
今回の見直しは、次のような政策目的を背景としています。
- 住宅取得支援の継続
- 省エネ性能の高い住宅の普及
- 既存住宅・コンパクト住宅の活用促進
- 子育て世帯・若者夫婦世帯への重点支援
👉 「誰でも同じ」ではなく、住宅の質・世帯属性で差が出る制度へ進化しています。
住宅ローン減税の主な変更点(令和8年度税制改正)
※今後の国会で関連税制法が成立することが前提です。
① 適用期限の延長【重要】
- 適用期限:5年間延長
- 対象:
👉 令和8年1月1日~令和12年12月31日までに入居した場合
➡ 当面は制度が継続する前提で住宅取得を検討可能
② 省エネ性能の高い「既存住宅」への支援拡充
令和8年以降に入居する場合、
- 省エネ性能の高い既存住宅について
- 借入限度額を引き上げ
- 子育て世帯・若者夫婦世帯への上乗せ措置
- 控除期間を13年間に拡充
➡ 新築だけでなく「既存住宅」も重視する制度設計
③ 床面積要件の緩和
- 原則:40㎡以上に緩和
- ただし、次の場合は 50㎡以上
- 合計所得金額1,000万円超の者
- 子育て世帯等への上乗せ措置利用者
➡ コンパクト住宅を取得する従業員にも影響
④ 省エネ基準を満たさない住宅の取扱い(注意点)
- 令和10年以降に建築確認を受ける省エネ基準適合住宅
- 原則:住宅ローン減税の 適用対象外
- 例外:登記簿上の建築日付が
👉 令和10年6月30日までのもの
➡ 入居時期・建築時期の確認が重要
⑤ 災害レッドゾーンの新築住宅の取扱い
- 令和10年以降に入居する場合
- 土砂災害等の「災害レッドゾーン」の新築住宅
👉 適用対象外
- 土砂災害等の「災害レッドゾーン」の新築住宅
- ただし
- 建替え
- 既存住宅
- リフォーム
は 適用対象
➡ 住宅の立地条件も要確認
【事例】会社実務で想定されるケース
事例①:年末調整で初めて住宅ローン控除を受ける社員
- 令和8年中に既存住宅を購入し入居
- 省エネ性能あり
- 子育て世帯
➡ 借入限度額・控除期間が従来より有利
➡ 会社は「住宅借入金等特別控除申告書」を適正に確認
事例②:床面積40㎡台の住宅を購入した社員
- コンパクト住宅(45㎡)
- 所得1,000万円以下
➡ 床面積要件を満たし、控除対象となる可能性
➡ 旧制度の感覚で「対象外」と判断しないことが重要
事例③:給与担当者が質問を受けるケース
「住宅ローン控除が使えるか、会社で判断できますか?」
➡ 最終判断は税務署
➡ 会社は
- 書類の確認
- 年末調整手続き
に専念するのが基本
経営者・実務担当者が押さえておくべきポイント
① 年末調整への影響
- 令和8年分以降の年末調整で適用者が出てくる可能性
- 申告書・添付書類の確認がより重要に
② 従業員への説明は「概要+税務署判断」
- 会社が可否を断定しない
- 制度概要を案内し、詳細は税務署・税理士へ
③ 給与担当者の思い込みに注意
- 「新築だけ」「50㎡以上だけ」という理解は危険
- 制度は年々アップデートされている
まとめ(経営者の方へ)
- 住宅ローン減税は 5年間延長
- 省エネ住宅・既存住宅・子育て世帯への支援が拡充
- 年末調整実務への影響は確実に出てくる
- 「知らなかった」では済まされない制度改正
正しい理解が、年末調整トラブルの防止につながります。
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ひらおか社会保険労務士事務所
法改正・制度変更を踏まえ、
経営者と実務担当者を支える労務サポートを行っています。