― 実務で失敗しないためのポイントを解説 ―
(ひらおか社会保険労務士事務所)
はじめに(経営者の皆さまへ)
人手不足や経験者確保の観点から、定年年齢を超えた方を有期契約労働者として新規雇用するケースが増えています。
一方で、
- 何年まで雇ってよいのか
- 無期転換のリスクはあるのか
- 就業規則と契約書、どちらに書くべきか
といった実務上の疑問を多くいただきます。
本記事では、法的な前提を整理したうえで、実務で使える設定方法と注意点を、事例付きでわかりやすく解説します。
1.前提整理:定年後「新規雇用」は第二種計画認定の対象外
まず重要なポイントです。
- 定年年齢を超えて「新規に」雇用する有期契約労働者については、
👉 高年齢者雇用安定法に基づく「第二種計画認定」※は適用されません。
※第二種計画認定:
定年後再雇用者について、無期転換ルール(労働契約法18条)の特例を受ける制度。
つまり、
「定年後再雇用」ではなく、「定年後に初めて雇う人」の場合は、
➡ 通常の有期契約ルールがそのまま適用されます。
2.雇用期間の上限はどう設定すべきか?
実務上、次の2つの方法がよく使われます。
方法①:第二定年を設定する
就業規則に、例えば次のような定めを置く方法です。
・定年:60歳
・第二定年:65歳(または70歳 等)
この場合、
- 第二定年到達時に当然に退職
- 契約更新を重ねても、年齢で出口が明確
👉 年齢上限を設けたい企業にとって、管理しやすい方法です。
方法②:有期労働契約の「更新上限」を設ける
もう一つは、年齢ではなく契約期間で上限を設定する方法です。
例:
- 通算契約期間:最長5年まで
- 更新回数:最大4回まで
この場合、
- 無期転換申込権が発生しないように設計可能
- ただし、説明義務・運用ルールが重要になります
3.更新上限を設ける場合の「重要な注意点」
① 契約締結・更新のたびに「説明」が必要
更新上限がある場合は、
- 初回契約時
- 契約更新時ごと
に、
👉 更新上限の内容(期間・回数)を明確に説明する必要があります。
「書いてあるからOK」では足りません。
説明した事実を残す(契約書・更新確認書など)が実務上重要です。
② 途中で上限を新設・短縮する場合は「理由説明」が必須
たとえば、
- これまで更新上限なし
- 今回から「通算5年まで」と変更
といった場合には、
👉 あらかじめ、合理的な理由を説明しなければなりません。
説明なく不利益変更をすると、
後日のトラブルや無効主張のリスクが高まります。
4.就業規則と労働契約の「優先関係」に注意
実務で特に多い落とし穴がここです。
❌ よくあるNG例
- 就業規則:第二定年・更新上限の記載なし
- 個別の労働契約書だけで
- 第二定年
- 更新上限
を定めている
この場合、
👉 就業規則の最低基準効により、
個別契約の定めが無効とされる可能性があります。
✅ 正しい対応
- まず 就業規則に根拠規定を置く
- その内容に沿って 個別契約で具体化
👉 就業規則 → 労働契約の順で整備が鉄則です。
5.【事例】実務でよくあるケース
事例①:経験豊富な60代技術者を1年更新で雇用
状況
- 定年:60歳
- 62歳の経験者を新規採用
- 毎年1年更新を想定
対応ポイント
- 第二種計画認定は使えない
- 就業規則に
- 第二定年:65歳
を明記
- 第二定年:65歳
- 契約書にも
- 「第二定年到達時に終了」
を明示
- 「第二定年到達時に終了」
👉 更新を重ねても出口が明確で、無期転換リスクを回避。
事例②:年齢上限は設けず、契約期間で管理したい場合
状況
- 年齢に関係なく能力重視
- ただし無期化は避けたい
対応ポイント
- 就業規則に
- 「有期契約の通算期間は5年を上限とする」
- 初回契約・更新時に
- 上限の説明
- 書面での確認
👉 説明義務を怠らないことがカギ。
6.まとめ(経営者向けチェックポイント)
✅ 定年後「新規雇用」は第二種計画認定の対象外
✅ 第二定年 or 更新上限、どちらかを明確に
✅ 更新上限は「説明義務」がセット
✅ 就業規則に根拠規定がないと無効リスクあり
✅ 契約書だけで完結させない
おわりに|トラブル予防は「事前設計」から
定年後雇用は、
制度設計を誤ると無期転換・雇止めトラブルに発展しやすい分野です。
ひらおか社会保険労務士事務所では、
- 就業規則の整備
- 高齢者雇用の設計
- 実務に即した契約書チェック
を通じて、経営者の皆さまを実務面からサポートしています。
「このケースはどうなる?」と感じたら、
お気軽にご相談ください。
📩 無料相談のご案内
定年後の新規雇用や有期契約の設定について、
- この雇用形態で問題ないのか
- 無期転換のリスクはないか
- 就業規則や契約書の書き方は適切か
といったお悩みはありませんか?
制度の設計を誤ると、思わぬトラブルや法的リスクにつながることもあります。
ひらおか社会保険労務士事務所では、実務に即した視点で丁寧にアドバイスいたします。
「このケースはどうなる?」といった
ちょっとしたご質問だけでも構いません。
👇 無料相談はこちらから
👉 無料相談・お問い合わせフォーム
https://smile-office-sr.com/inquiry/
※初回相談は無料です
※無理な営業は一切いたしませんので、安心してご利用ください