「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」公表
― いま経営者が準備すべきこととは ―
■ ついに50人未満も義務化へ
厚生労働省は、令和8年2月25日、
「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」を公表しました。
これは、令和7年5月公布の改正労働安全衛生法により、
労働者数50人未満の事業場にもストレスチェック実施が義務化される
ことを踏まえたものです。
※施行日は「公布後3年以内に政令で定める日」とされており、正式な日程は未確定ですが、
今後確実に義務化されます。
■ なぜ今、準備が必要なのか?
現在は「努力義務」ですが、義務化されれば
- 実施体制の整備
- 実施者の確保
- プライバシー保護措置
- 医師面接指導体制
- 労基署への報告
などが必要になります。
小規模事業場にとって一番の課題は、
🔴 「人も時間も余裕がない」
🔴 「専門知識がない」
🔴 「個人情報管理が不安」
という点です。
今回のマニュアルは、こうした小規模事業場の実情を踏まえて作成されています。
■ マニュアルのポイント(実務目線で解説)
① 実施体制は「現実的」に構築する
小規模事業場では、
- 外部機関へ委託
- 共同実施
- 地域産業保健センターの活用
などが想定されています。
👉 社内だけで抱え込まなくて良いという点が重要です。
② プライバシー保護の徹底
小規模事業場で最もトラブルになりやすいのが
「社長に結果が全部見えるのでは?」
という不安。
個人結果は本人の同意なしに開示不可。
これを誤ると重大な法令違反になります。
③ 集団分析の活用がカギ
小規模企業こそ、
- 人間関係トラブル
- 業務過多
- 特定社員への負担集中
が起きやすい。
ストレスチェックは「個人判定制度」ではなく、
🔵 職場改善のツール
として活用するのが本来の目的です。
■ 事例で考える:こんな会社は要注意
【事例①】従業員28名の建設会社
- 若手が次々退職
- 「最近、現場がピリピリしている」
- 管理職は「気合が足りない」と発言
実は、
✔ 長時間労働
✔ 管理職の指導方法
✔ 人員不足による業務過多
が原因。
もしストレスチェックを実施していれば、
- 高ストレス傾向の把握
- 部署別分析
- 早期改善
が可能だったケースです。
結果として、退職コスト・採用コストが増大。
【事例②】従業員12名のクリニック
院長は「家族のような職場」と思っていたが、
実際は
✔ 看護師間の対立
✔ 受付の孤立
✔ 院長の叱責に対する恐怖感
が潜在化。
ストレスチェック後、
集団分析をもとに外部研修を実施。
結果:
- 離職率改善
- 院内の雰囲気改善
- 患者満足度向上
小規模事業場ほど影響がダイレクトに出るのです。
■ 経営者が今すぐやるべき5つ
① 自社の労働者数の確認
② 産業医の有無の確認
③ 実施方法(外部委託or内製)の検討
④ 個人情報管理体制の点検
⑤ メンタルヘルス方針の明文化
■ 義務化を「コスト」にするか「投資」にするか
ストレスチェックは
❌ やらされる制度
ではなく
⭕ 離職防止の経営ツール
です。
小規模事業場ほど
- 1人辞める影響が大きい
- ハラスメント問題が深刻化しやすい
- 組織の空気が業績に直結する
という特徴があります。
■ まとめ
改正労働安全衛生法により、
50人未満の事業場もストレスチェックが義務化されます。
施行日は未定ですが、
準備期間は「今」しかありません。
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