2026年4月、厚生労働省より
「雇用調整助成金ガイドブック(令和8年4月1日現在版)」が公表されました。
雇用調整助成金は、景気の悪化や売上減少などにより事業活動が縮小した場合に、
従業員の雇用を守るために活用できる重要な助成金制度です。
企業が従業員を解雇せずに、
休業・教育訓練・出向などで雇用維持を図った場合に、
その賃金の一部が助成されます。
本記事では、
経営者の方が実務で知っておくべきポイントを分かりやすく解説します。
雇用調整助成金とは
雇用調整助成金は、次のような状況の企業を支援する制度です。
例えば
- 景気悪化
- 取引先の減少
- 受注の減少
- 災害や経済情勢の変化
などにより
事業活動が縮小した場合に、
企業が従業員を解雇せず
- 休業
- 教育訓練
- 出向
などの雇用維持措置を行った場合に
休業手当等の一部が助成されます。
助成の対象となる主な取組
主に次の3つがあります。
①休業
従業員を一時的に休ませる
例
- 週3勤務
- 月の一部休業
その際に支払う
休業手当の一部が助成されます。
②教育訓練
仕事が少ない期間に
社員研修を行う場合
例
- DX研修
- 業務改善研修
- 安全教育
休業よりも
助成額が上乗せされるケースがあります。
③出向
従業員を別の会社に出向させる場合
一時的に
雇用を維持しながら人材を活用する方法です。
支給を受けるための主な要件
主な要件は次の通りです。
①売上などの減少
直近3か月の売上などが
前年同期より減少
②雇用維持の取組
解雇を避け
- 休業
- 教育訓練
- 出向
などを行う
③労使協定の締結
休業などを実施する場合
労使協定が必要
④休業手当の支払い
休業時には
平均賃金の60%以上
を支払う必要があります。
実務で注意すべきポイント
実務では次のミスが多く見られます。
①労使協定を作っていない
助成金では
事前の協定書が重要
②休業手当の計算ミス
平均賃金の計算ミスで
助成対象外になるケース
③休業日数の管理不足
出勤簿や勤務記録が曖昧だと
不支給になる可能性
④事前計画の未提出
制度によっては
計画届が必要
活用事例
事例① 製造業
受注減少により
生産ラインの稼働を調整
- 月5日休業
- 休業手当支給
雇用調整助成金を活用し
人材流出を防止
景気回復後も
熟練社員を維持できた
事例② 運送業
荷物量の減少により
- 週1日休業
さらに
- DX研修
- 安全運転研修
を実施
教育訓練を活用することで
助成額を増加
事例③ 小売業
店舗の来客減少
- 月数日休業
雇用調整助成金を活用し
解雇を回避
結果として
スタッフの離職防止につながった
令和8年度助成金の動き
現在
雇用関係助成金全体パンフレット(簡略版)
は
令和8年度予算成立後に公表予定
となっています。
令和8年度予算は
2026年4月7日成立見込み
とされており、
まもなく
新しい助成金情報が公表される予定です。
新しい情報が出ましたら
本ブログでも解説します。
助成金は「事前準備」が重要
助成金は
- 就業規則
- 出勤簿
- 賃金台帳
- 労使協定
など
労務管理が整っている企業ほど活用しやすい制度です。
逆に言うと
制度を知らないだけで
活用できる助成金を逃している企業も多いのが現状です。
助成金のご相談について
- 自社で使える助成金があるのか知りたい
- 助成金の申請を検討している
- 労務管理を整備したい
このような場合はお気軽にご相談ください。
ひらおか社会保険労務士事務所では、
企業の状況に合わせて
- 助成金活用
- 労務管理整備
- 就業規則整備
などをサポートしています。