厚生労働省より、令和8年度の労働保険年度更新の申告書の書き方パンフレットが公表されました。
年度更新は、すべての事業主に関係する重要な手続きです。
申告期限を過ぎてしまうと、追徴金などのリスクもあるため注意が必要です。
この記事では、
経営者が押さえておくべきポイントを社会保険労務士が分かりやすく解説します。
労働保険の年度更新とは?
労働保険の年度更新とは、
前年度の確定保険料を申告し、今年度の概算保険料を申告・納付する手続き
のことです。
対象となる保険は次の2つです。
- 労災保険
- 雇用保険
この2つをまとめて
「労働保険」
と呼びます。
令和8年度の年度更新期間
令和8年度の申告期間は次のとおりです。
申告期間
6月1日 ~ 7月10日
この期間内に
- 申告書提出
- 保険料納付
を行う必要があります。
厚生労働省が公表したパンフレット
厚生労働省では、年度更新の申告書の書き方についてまとめたパンフレットを公開しています。
事業形態ごとに分かれており、以下の4種類があります。
①継続事業用(一般企業)
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/hoken/kakikata/keizoku.html
②雇用保険用
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/hoken/kakikata/koyou.html
③一括有期事業用(建設業など)
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/hoken/kakikata/ikkatu.html
④労働保険事務組合向け
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/hoken/kakikata/hoken.html
年度更新で必要になる主な資料
年度更新の際には、次の資料を準備しておくとスムーズです。
✔ 賃金台帳
✔ 出勤簿(タイムカード)
✔ 源泉徴収簿
✔ 雇用保険加入者の情報
✔ 労働保険番号
特に重要なのが
前年度の賃金総額
です。
この金額をもとに労働保険料を計算します。
よくあるミス(社労士実務)
年度更新では次のようなミスが多く見られます。
①役員報酬を含めてしまう
労働保険は
労働者の賃金
が対象です。
原則として
役員報酬は対象外
となります。
②通勤手当を除外してしまう
実は通勤手当は
賃金に含まれます
そのため年度更新では
通勤費も含めて計算
する必要があります。
③アルバイトの賃金を漏らす
短時間労働者でも
雇用保険加入者でなくても
労災保険は対象です。
つまり
アルバイトの賃金も対象
になります。
【事例】年度更新でよくあるケース
事例① アルバイトの賃金漏れ
ある飲食店では、
- 正社員
- パート
- アルバイト
が在籍していました。
年度更新の際に
アルバイトの賃金を含めていない
ことが発覚しました。
結果として、
保険料の追加申告
が必要となりました。
事例② 役員報酬を含めていた
ある中小企業では
社長と役員の報酬を
賃金総額に含めて計算
していました。
しかし
労働保険は
労働者の賃金のみ対象
のため、
正しい金額で再計算することになりました。
社労士からのアドバイス
年度更新は
毎年必ず発生する手続き
ですが、
- 計算が複雑
- 賃金の対象範囲が分かりにくい
- 従業員数が多いとミスが起きやすい
という特徴があります。
特に
- パートが多い企業
- 建設業
- 従業員の入退社が多い企業
では注意が必要です。
まとめ
令和8年度の年度更新は
6月1日 ~ 7月10日
です。
早めに準備しておくことで、
- 申告漏れ
- 計算ミス
を防ぐことができます。
年度更新は、
企業の労務管理状況を確認する良い機会
でもあります。
この機会に、
- 労務管理
- 保険手続き
- 助成金活用
なども見直してみてはいかがでしょうか。
労働保険の年度更新でお困りの企業様へ
「年度更新の計算がよく分からない」
「手続きが面倒で時間が取れない」
「ミスがないか不安」
という場合は、社会保険労務士にご相談ください。