2025年8月4日開催の「第71回 中央最低賃金審議会」において、令和7年度の地域別最低賃金額の引上げ目安が公表されました。
今年度は全国的に大幅な引上げとなり、初めて全都道府県で最低賃金が1,000円を超える見込みです。
1. 引上げ目安のポイント
今回の目安のポイントは次のとおりです。
- 全国加重平均:1,118円(+63円)
- 引上げ率:約6.0%(過去最高水準)
- 全都道府県で時給1,000円超えへ
ランク別の引上げ額
ランク | 対象都道府県 | 引上げ額目安 |
---|---|---|
Aランク | 東京都など6都府県 | 63円 |
Bランク | 福岡県など28道府県 | 63円 |
Cランク | 沖縄県など13県 | 64円 |
※都道府県の経済実態に応じてA~Cランクに区分されています。
2. 改定後の最低賃金の目安
- 最高額:東京都 1,226円(+63円)
- 最低額:秋田県 1,015円(+64円)
- 全国すべての都道府県で1,000円超えを達成
適用は令和7年10月頃からとなる見込みです。
今後は各都道府県の地方最低賃金審議会で最終決定されます。
3. 企業・従業員への影響事例
事例1|パート従業員を複数雇用する飲食店
- 現在:時給1,020円(大阪府)
- 改定後目安:1,118円前後
- 差額:+約100円/時給
→ 週30時間勤務の従業員1人あたり、月1.2万円程度の人件費増加が見込まれます。
事例2|最低賃金ぎりぎりで働く学生アルバイト
- 現在:時給980円(秋田県)
- 改定後目安:1,015円
→ 1時間あたり+35円となり、月80時間勤務で約2,800円の増収となります。
4. 実務上のチェックポイント(社労士目線)
- 給与が最低賃金を下回らないか確認
- 固定残業代を設定している場合は再計算が必要
- 就業規則・賃金規程の改定時期を検討
- 人件費増加に伴う助成金の活用も視野に
まとめ
- 令和7年度は全国的に大幅な最低賃金引上げ
- 初めて全都道府県で1,000円以上
- 企業は給与改定・シフト管理・助成金対応を早めに準備しましょう
詳しくは厚生労働省公式ページもご確認ください。
令和7年度 地域別最低賃金額改定の目安(厚労省)