厚生労働省は、令和6年に実施した「雇用動向調査」の結果を公表しました(令和7年8月26日)。
この調査は、常用労働者5人以上を雇用する事業所を対象に、年2回(上半期・下半期)行われており、今回はその年計を取りまとめたものです。
調査結果のポイント
- 入職率:14.8%(前年より▲1.6ポイント)
- 離職率:14.2%(前年より▲1.2ポイント)
- 入職超過率:+0.6ポイント(前年より▲0.4ポイント)
つまり、「入ってくる人」より「辞める人」の方が少ない状態(入職超過)は4年連続で続いていますが、その差は縮小してきています。
背景と考察
入職率・離職率がともに低下しているということは、労働市場全体がやや落ち着いている状況を示しています。
近年は人材不足の影響で転職や離職が増加していましたが、令和6年は「転職控え」「人材定着の強化」などが進んだことが背景にあると考えられます。
事例紹介
事例①:飲食業(大阪市)
ある飲食チェーンでは、これまで離職率が30%を超えていました。しかし、勤務シフトの柔軟化や研修制度の充実に取り組んだ結果、令和6年は離職率が20%を切り、人材定着につながりました。
事例②:医療機関(名古屋市)
慢性的な人手不足に悩んでいた病院では、看護師の中途採用に積極的に取り組んでいましたが、思うように人が集まりませんでした。今回の調査で入職率が下がっていることを踏まえ、給与・福利厚生の改善や働き方改革に取り組み始めています。
企業への示唆
- 人材の獲得競争は依然として厳しい
入職超過率はプラスですが、差は縮小。採用の難しさは今後も続きます。 - 離職防止策が重要
給与だけでなく、働きやすさやキャリア支援など、従業員満足度を高める施策が求められます。 - 労務管理体制の整備
雇用動向の変化を踏まえ、労務リスクを最小限にする体制づくりが必要です。
📌 詳しくは厚生労働省の発表をご覧ください
👉 令和6年 雇用動向調査結果の概要(厚生労働省)
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