2025/09/08 手続き・届出
厚生労働省は、地域別最低賃金の大幅な引き上げに対応する中小企業・小規模事業者を後押しするため、「業務改善助成金」を拡充すると発表しました(令和7年9月5日公表)。
この助成金は、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げ、生産性向上のための設備投資等を行った場合に、費用の一部が助成される制度です。
今回の拡充ポイント
- 申請可能な事業所を拡大
従来は「事業場内最低賃金が地域別最低賃金+50円以内」の事業所が対象でした。
→ 今後は 「改定後の地域別最低賃金未満」の事業所 まで対象が広がります。 - 賃金引上げ計画の事前提出を省略可能に
令和7年9月5日~令和7年度の最低賃金改定日の前日までに引上げを実施した場合、特例として賃上げ計画の事前提出が不要になります。
石破総理も会見で「最低賃金引上げに対応する中小企業・小規模事業者を、政府として強力に後押しする」とコメントしており、その代表的な支援策が本助成金です。
事例:飲食業のケース
大阪府で最低賃金が 1,114円 → 1,200円 に引き上げられたと仮定します。
ある飲食店では、時給 1,180円 のパート従業員が複数名いました。
今回の改定により「改定後の地域別最低賃金(1,200円)未満」となり、助成金の対象に該当します。
お店は、賃金を 1,200円以上に引き上げる と同時に、厨房の真空包装機を導入して作業効率を改善。
この設備投資費用の一部について、「業務改善助成金」の申請が可能となります。
実務上のポイント
- 対象者の有無を確認:自社の従業員の賃金が「改定後の地域別最低賃金未満」かどうかをチェックしましょう。
- タイミングに注意:賃上げ実施日が改定日との関係で助成金対象になるか左右されます。
- 投資内容の妥当性:生産性向上に直結する設備投資やシステム導入であることが重要です。
参考リンク
まとめ
地域別最低賃金の引上げは中小企業にとって大きな負担となりますが、政府は助成金を通じてその取組みを支援しています。
賃金の見直しと同時に、生産性を高める投資を行うことで、従業員にも企業にもプラスとなる環境を整えましょう。
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