医療・介護・保育・幼児教育施設などでは、人材確保が常に大きな課題となっています。その解決策のひとつとして「有料職業紹介サービス」を利用するケースが増えています。
しかし、利便性の一方でトラブルも報告されているため、利用にあたっての注意点を理解しておくことが重要です。
1. 手数料の確認を怠らない
有料職業紹介サービスでは、採用が成立した際に「紹介手数料」が発生します。場合によっては 1人あたり100万円以上 に及ぶケースもあり、至急募集の場合はさらに高額になることもあります有料職業紹介サービスを利用する際の注意点。
契約前に必ず手数料体系を確認し、条件を書面で明確に残すことが基本です。
2. 早期退職時の返戻金制度
紹介を受けて採用した人材が、短期間で退職してしまうこともあります。この場合でも、原則として手数料は発生します。
ただし、多くの事業者では「返戻金制度」を設けており、一定期間内の退職であれば手数料の一部または全額が返金されます。
返戻の対象期間や割合は事業者によって異なるため、契約前にしっかり確認しておきましょう
3. 紹介事業者の得意分野を把握する
有料職業紹介事業者には、それぞれ得意分野があります。
例えば「看護師・介護士に強い」「保育士に特化している」など特色があるため、自社の募集条件に合う事業者を選ぶことが重要です。
情報収集の方法としては、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」の確認や、同業他社からの評判収集が効果的です
4. 適正認定事業者を選ぶ
厚生労働省では、一定の基準を満たした事業者を「適正認定事業者」として認定しています。
認定事業者を利用することで、トラブル防止や安心感につながります。
「認定を受けているか」を選定基準のひとつにするとよいでしょう
5. 手数料の平均値・離職率を確認する
厚生労働省は、地域別・職種別に手数料の平均値や離職率を公表しています。
相場を把握することで、不当に高額な契約を避けたり、離職リスクを踏まえて採用戦略を立てることができます
【事例】返戻金制度を確認しなかったケース
ある介護施設では、紹介事業者を通じて介護職員を採用しました。
しかし採用から 2週間で退職 してしまい、すでに 70万円の手数料 を支払っていたにもかかわらず返金はゼロ。契約書をよく確認していなかったため、返戻金制度が存在しない事業者であることに気づいたのは後のことでした。
このケースからも、「返戻金制度の有無・内容」を事前に確認することが極めて重要だとわかります。
まとめ
有料職業紹介サービスは人材確保の有効な手段ですが、利用にはリスクも伴います。
- 契約前に手数料を必ず確認する
- 返戻金制度の有無と内容を確認する
- 得意分野のある事業者を選ぶ
- 厚労省の「適正認定事業者」かをチェックする
- 手数料相場や離職率を把握する
これらを押さえておくことで、無用なトラブルを防ぎ、安心して人材紹介サービスを活用できます。
👉 厚生労働省「雇用仲介事業者のご利用にあたって」公式資料はこちら