労務管理

【令和6年改正】個別の周知・意向確認は誰が行う?人事部でなければダメ?

こんにちは。ひらおか社会保険労務士事務所です。

令和6年改正育児・介護休業法により、事業主には労働者に対して個別の周知・意向確認を行う義務が課されています。
では、この手続きは必ず「人事部」が行わなければならないのでしょうか?

法律上の考え方

現行の育児休業に関する規定(R3改正)と同じく、
「事業主」として行う手続きは、事業主またはその委任を受けた者が行えばよい
とされています。

つまり、

  • 人事部でなくても、
  • 所属長や直属の上司であっても、

事業主から委任を受けていれば差し支えありません。

実務での注意点

ただし、直属の上司や所属長が行う場合には注意が必要です。

  • 部下が意向を表明しにくい状況を避けること
  • 実施者(上司など)に対して、制度の趣旨や正しい実施方法を十分に周知しておくこと

これにより、労働者が安心して意見を伝えられる環境を整えることが重要です。

実務での事例

事例:IT企業E社の対応

E社では、従業員が妊娠の申出をした際に、所属長が個別周知・意向確認を行う体制を導入しました。
ただし、従業員が直属の上司には言いにくいと感じる場合も想定し、人事部との二重チェック体制を用意。

  • 所属長が面談で意向を聴取
  • 面談記録を人事部に送付
  • 人事部がフォローアップ面談を希望者に提供

➡ この仕組みにより、従業員が安心して制度利用の希望を表明でき、育休取得率が向上しました。

実務ポイントまとめ

  • 人事部以外でも委任を受けた所属長・上司が実施可能
  • ただし、労働者が「言いにくさ」を感じない環境づくりが必須
  • 上司への制度研修や、必要に応じた人事部のフォロー体制を整えておくことが効果的

まとめ

令和6年改正の「個別の周知・意向確認」は、人事部だけでなく、委任を受けた上司が行っても問題ありません
しかし、労働者が安心して意見を伝えられる環境を整備することが、法令遵守だけでなく職場の信頼関係構築にもつながります。

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