「従業員を採用したい」
「社員教育を強化したい」
「賃上げをしたいがコストが不安…」
そんな企業を支援するために、国はさまざまな“助成金制度”を用意しています。
助成金は、一定の要件を満たせば返済不要で受給できる制度です。
特に人事労務分野では、採用・教育・育児支援・職場改善など、会社の取り組みに対して支給される助成金が数多く存在します。
今回は、経営者の皆さま向けに、実務で活用される代表的な助成金と、活用時の注意点について、わかりやすく解説いたします。
助成金とは?
助成金とは、主に厚生労働省が管轄する「雇用関係助成金」のことを指します。
会社が、
- 従業員の雇用維持
- 人材育成
- 非正規社員の待遇改善
- 育児・介護との両立支援
- 職場環境改善
などを行った場合に、一定額が支給される制度です。
融資とは異なり、原則として返済不要なのが大きな特徴です。
人事労務でよく活用される主な助成金
① キャリアアップ助成金(正社員化コース)
非正規社員を正社員へ転換した場合に活用できる代表的な助成金です。
こんな会社におすすめ
- アルバイトを正社員化したい
- 優秀な人材を定着させたい
- 採用コストを抑えたい
支給例
有期雇用社員を正社員へ転換した場合
⇒ 1人あたり助成金支給
※年度によって金額・要件変更あり
【事例】
飲食店A社では、3年間アルバイトとして勤務していたスタッフを正社員化。
- 就業規則を整備
- 正社員転換制度を導入
- 面談・転換試験を実施
その結果、助成金を受給しながら人材定着にも成功しました。
② 人材開発支援助成金(リスキリング・DX研修など)
従業員研修に対して支給される助成金です。
最近では、
- DX研修
- AI研修
- IT研修
- 管理職研修
などでも活用されるケースが増えています。
こんな会社におすすめ
- 社員教育を強化したい
- DX化を進めたい
- 研修費用を抑えたい
【事例】
介護事業所B社では、記録業務のDX化に伴い、
- ICT研修
- システム操作研修
を実施。
研修費用と研修時間中の賃金の一部について助成金を活用し、現場負担軽減につながりました。
③ 業務改善助成金
最低賃金の引上げと設備投資を組み合わせて活用する助成金です。
対象例
- POSレジ導入
- 勤怠管理システム
- 業務効率化設備
など
こんな会社におすすめ
- 賃上げを予定している
- 生産性を上げたい
- 人手不足対策をしたい
【事例】
小売業C社では、
- 時給アップ
- 自動釣銭機導入
を実施。
レジ締め作業時間が短縮され、残業削減にもつながりました。
④ 両立支援等助成金
育児・介護と仕事の両立支援を行う企業向け助成金です。
主な対象
- 男性育休取得
- 育児休業取得支援
- 不妊治療との両立
- 介護離職防止
など
【事例】
建設業D社では、男性社員が育休を取得。
会社は、
- 業務引継ぎ体制を整備
- 面談記録を実施
- 復帰支援を実施
した結果、助成金を受給できました。
「男性育休が取りやすい会社」として採用面でも好影響がありました。
⑤ 働き方改革推進支援助成金
労働時間削減や年次有給休暇取得促進などの取り組みを支援する助成金です。
活用例
- 勤怠管理システム導入
- 労務管理クラウド導入
- 就業規則見直し
- 有給取得促進
助成金活用で重要なポイント
① 「後から」では間に合わない
助成金は、
- 事前計画
- 制度整備
- 就業規則改定
が必要なケースが非常に多いです。
「実施してから申請したい」は通用しないこともあります。
② 労務管理の整備が必須
助成金では以下の書類確認が非常に重要です。
- 出勤簿
- 賃金台帳
- 雇用契約書
- 就業規則
- 36協定
など
労務管理に不備があると、不支給となるケースもあります。
③ 毎年制度変更がある
助成金は、
- 新設
- 廃止
- 支給額変更
- 要件変更
が頻繁に行われます。
そのため、最新情報の確認が非常に重要です。
社労士に相談するメリット
助成金は「申請書を書く仕事」ではありません。
実際には、
- 制度設計
- 就業規則整備
- スケジュール管理
- 労務リスク確認
- 要件確認
など、事前準備が非常に重要です。
特に近年は審査が厳格化しているため、専門家への相談をおすすめします。
まとめ
助成金は、単なる“お金の制度”ではありません。
- 人材定着
- 教育強化
- 働きやすい職場づくり
- 採用力向上
につながる「会社づくり支援制度」です。
うまく活用することで、会社の成長と従業員満足度向上の両立につながります。
「自社で活用できる助成金があるかわからない…」
「何から準備すればいいかわからない…」
そのような場合は、早めの確認がおすすめです。
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ひらおか社会保険労務士事務所では、
助成金活用・就業規則整備・人材育成支援などをサポートしております。
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