はじめに
毎年7月は「労働保険年度更新」や「算定基礎届」など、多くの手続きが集中する時期です。
その中で見落とされやすいのが、
「高年齢者雇用状況等報告書」
「障害者雇用状況報告書」
の提出です。
特に障害者雇用状況報告書は、提出漏れや虚偽報告に対して罰則が設けられています。
今回は、経営者の皆さま向けに、報告義務の対象企業や実務上の注意点をわかりやすく解説します。
そもそも何のための報告なのか?
国は企業に対し、
- 高年齢者の雇用状況
- 障害者の雇用状況
を毎年報告するよう義務付けています。
報告された内容は、
- 高齢者雇用政策
- 障害者雇用政策
- ハローワークによる指導や助言
などの基礎資料として活用されます。
高年齢者雇用状況等報告書
対象企業
すべての企業
です。
従業員数に関係なく提出が必要です。
「60歳以上の従業員がいないから関係ない」
というわけではありません。
高年齢者を雇用していない場合でも提出義務があります。
報告内容
主に以下の内容を報告します。
- 定年年齢
- 継続雇用制度の状況
- 65歳超雇用制度の状況
- 常用労働者数
- 高年齢者の離職状況
- 高年齢者雇用等推進者の選任状況
などです。
2026年の重要変更点
2025年4月から、
「65歳までの雇用確保措置」が完全義務化
されました。
これに伴い、高年齢者雇用状況等報告書の様式も変更されています。
過去の様式をそのまま参考にすると記載ミスにつながるため注意が必要です。
障害者雇用状況報告書
対象企業
2026年6月1日時点で
常用雇用労働者40人以上の企業
が対象です。
報告内容
主に以下を報告します。
- 常用雇用労働者数
- 短時間労働者数
- 障害者数
- 実雇用率
- 障害者雇用推進者
などです。
実務で間違いやすいポイント
① パート・アルバイトを除外してしまう
常用労働者は正社員だけではありません。
以下の要件を満たす場合、
- 1年以上雇用見込み
- 週20時間以上勤務
であればパートやアルバイトも対象になります。
② 休職者を人数から除外してしまう
障害者雇用状況報告では、
休職者や休業者も原則として対象になります。
③ 出向者の扱いを間違える
出向者は、
- 主たる賃金を支払っている会社
でカウントすることが一般的です。
④ 短時間労働者の計算方法を誤る
障害者雇用状況報告書では、
記載欄によって
- 1人として数える
- 0.5人として数える
場合があります。
実務上よく間違えるポイントです。
実際にあった相談事例
事例①
従業員45名の会社
社長から
「障害者を雇用していないので報告は不要ですよね?」
との相談がありました。
しかし、
障害者を雇用しているかどうかに関係なく、
対象企業であれば報告義務があります。
結果として提出対象であることが判明し、期限内に提出を行いました。
事例②
従業員30名の会社
高年齢者雇用状況報告書が届いたため、
「うちは人数が少ないので提出不要だと思っていた」
との相談がありました。
高年齢者雇用状況等報告書は、
企業規模に関係なく提出義務があります。
提出漏れを防ぐためにも毎年確認が必要です。
経営者が今すぐ確認すべきチェックリスト
□ 高年齢者雇用状況等報告書が届いている
□ 障害者雇用状況報告書の対象企業か確認した
□ 6月1日時点の従業員数を把握している
□ パート・アルバイトを含めて人数集計している
□ 出向者や休職者の取扱いを確認している
□ 提出期限を社内で共有している
まとめ
2026年の提出期限は
2026年7月15日(水)
です。
特に障害者雇用状況報告書は、提出漏れや虚偽報告により罰則の対象となる可能性があります。
年度更新や算定基礎届の対応で忙しい時期ですが、併せて確認しておきましょう。
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